デパス錠ベンゾジアゼピン系の睡眠薬ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、現在日本でもっとももよく使用されている睡眠薬で、作用時間の違う多くの商品が発売されています。

眠りをもたらすしっかりした効果があり、副作用が少ないのが特徴です。

日本で使われてきた睡眠薬の歴史を振り返ると、戦後すぐの1950年代はバルビツール酸系の睡眠薬がよく使われていました。

この薬は催眠効果は優れていますが副作用が大きく,耐性や依存性を形成しやすいという欠点があります。
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睡眠薬と睡眠導入剤睡眠導入剤という用語は、医師によって①睡眠薬の内でとくに寝付きを良くするお薬という意味で使う人と、②睡眠薬と同じ意味で使う人がいます。

どちらかというと①の意味で使われることが多いようです。

睡眠障害(不眠症)には、寝つきが悪い「入眠困難」、夜中に目が覚める「中途覚醒」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」などのパターンがあります。

寝つきをよくするという意味での睡眠導入剤が使われるのは、この内の入眠困難の場合です。 続きを読む

睡眠薬を希望するかた現在日本の病院で処方されている睡眠薬は大きく分けると5つに分類できます。

それを開発が古い順に並べると次のようになります。

カッコの中は日本でよく使用されるようになった年代です。

  • バルビツール酸系(1950年代)
  • ベンゾジアゼピン系(1980年代)
  • 非ベンゾジアゼピン系(1990年代)
  • メラトニン受容体作動薬(2010年)
  • オレキシン受容体拮抗薬(2014年)

この中で眠気を催す効果がもっとも高いのは、最近できた薬ではなく、もっとも開発年代の古いバルビツール酸系の睡眠薬です。 続きを読む

睡眠薬の副作用睡眠薬の副作用でもっとも注意したいのは、長期服用と大量服用によって形成される「耐性」と「依存性」です。

耐性とはお薬に身体が慣れてしまって同じ服用量ではだんだん効き目がわるくなることです。

依存性とはやはりお薬に身体が慣れることで、服用を中止すると心身に変調が現れることです。

現在主流になっている「ベンゾジアゼピン系(デパスなど)」や「非ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬にも耐性と依存性が出る可能性があります。 続きを読む

現在日本で処方されている睡眠薬は次の5種類です。

  1. 日本では1950年代から使われてきた「バルビツール酸系」
    効き目は強いが副作用や依存性も強いので現在はあまり使われていません。
  2. 1980年代からよく使用されるようになった「ベンゾジアゼピン系」
    現在もっともよく使われている睡眠薬で、作用時間が異なる多くの種類があります。
  3. 1990年代から使用されるようになった「非ベンゾジアゼピン系」
    ベンゾジアゼピン系の足元がふらつく副作用を軽減したお薬です。
  4. 2010年から販売されている「メラトニン受容体作動薬」
    効き目はおだやかですが、副作用がほとんどなく安全性が高いお薬です。
  5. 2014年から販売されている「オレキシン受容体拮抗薬」
    もっとも新しいタイプの睡眠薬で、耐性・依存性がほとんどないのが特徴です。

この中で催眠効果がもっとも強いのは1の「バルビツール酸系」ですが、睡眠中の呼吸が浅くなるなどの副作用が強いので現在では特別な場合をのぞいては処方されることがありません。

飲み続けると薬が効きにくくなる耐性や依存性ができやすいリスクも大きいお薬です。

反対に催眠効果がもっとも弱いのが4の「メラトニン受容体作動薬」です。

欧米や東南アジアでは薬局でもメラトニンを手軽に購入でき、快眠や時差ぼけの解消などに一般的に使われます。

メラトニンは人の自然な睡眠リズムを作る脳内ホルモンで、メラトニン受容体作動薬はそのはたらきを強化する作用がありますが、加齢やストレス、生活習慣などで量が減って睡眠の質や量が低下するのです。

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睡眠薬の副作用睡眠薬に怖い薬というイメージがあるのは、「いちど飲み始めるとなかなか薬が止められなくなる」と言われる依存性があるからです。

現在もっとも多く処方されている睡眠薬はベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、ハルシオンやデパス、レンドルミンなどの有名なお薬はすべてその仲間です。

このベンゾジアゼピン系の睡眠薬にも依存性が生じることがあるので、睡眠薬が怖いというイメージはもっとものように思われます。 続きを読む

社会不安障害と仕事仕事に都合の良い病気というものはありませんが、初対面の人と話したり電話をすることに強い緊張を感じ、そんな場面に参加することに恐怖や不安を抱く社会不安障害は、とくに仕事を続ける上ではやっかいな病気です。

もしかして社交性障害かなと思いながら病院で診断を受けず、治療をしないまま、なんとか仕事を続けているという人は、症状が改善しつつあるという自覚がないかぎり、早めに精神科または心療内科を受診すべきです。

いわゆる「場数を踏む」ことでは改善せず、むしろ失敗の経験が予期不安を増幅して、さらに強い緊張や恐怖を感じるようになるのがこの病気の特徴です。

また、治療をしている人は医師の指示に従うことが基本ですが、この病気に対する自分自身の知識、理解深めることも重要です。

俗に「べつに命を取られるわけじゃなし」と言いますが、社会不安障害はまさにそんなささいなことに強い緊張や恐怖・不安を感じてしまう病気です。

この一見理不尽な恐怖や不安が、「他人から低く評価されることを恐れる気持」から来ていることを自分で了解しておくことは大切です。

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社会不安障害と治療薬社会不安障害は、人前で失敗して恥をかくことを強く恐れて、人前で何かをすることに強い緊張と不安を感じる病気です。

10代で発症することの多い病気ですが、治療が遅れると重症化して、うつ病などを併発するケースが少なくありません。

治療は精神科または心療内科で薬物療法や精神療法を行ないますが(両方を並行して行うこともあります)、ここでは薬物療法についてお話します。

社会不安障害の治療に使われるお薬の第一選択はSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)です。

これは抗うつ剤として有名なお薬で、20世紀末に登場した副作用が少ない新しいタイプの抗うつ剤です。

SSRIは脳の神経伝達物質の1つのセロトニン受容体に作用して、脳内のセロトニン濃度を高める働きがあります。

それによってうつ病では気分の落ちこみが改善し、社会不安障害では不安な気持ちが軽減します。

脳内の神経伝達物質にはセロトニンの他に、ドパミン、ノルアドレナリンなどがありますが、セロトニンは怒りや不安、悲しみなどの感情をやわらげて気分を安定させる働きをしています。

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社会不安障害の症状社会不安障害は人前で何かをすることに強い不安を感じる病気です。

その不安の根底には、恥をかくこと、他人から低い評価をされることに対する強い恐怖感があります。

患者さんが症状をうったえる具体的な社交場面には次のようなものがあります。

  • ミーティングなど人前で話すときに声が震えてうまく話せない。
  • 結婚式の受付で記帳するなど、人前で字を書くときに手が震える。
  • 会食で人が見ていると思うとふつうに食事ができない。
  • かかってきた電話に出るのがこわい、出ても受け答えがうまくできない。とくに同僚や上司が周りにいるときは電話に出たくない。
  • 名刺交換をするとき、お客様にお茶を出すときなどに手が震える。

これらの場面に共通しているのは、人に見られているということです。

実際にはそれほどでなくても、本人は「注目されている」と思って緊張します。

声や手が震える他に、赤面する、大量に発汗する、動きがぎこちなくなる、動悸・腹痛・尿意が起きる、などの身体症状が出ます。

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社会不安障害の原因社会不安障害とは、人前で何かをすることに強い恐怖を感じ、恥をかくことを極端に恐れる病気です。

人前で話すことはもちろん、字を書いたり、食事をするような場面でも自然なふるまいができません。

そのため、しだいに人前に出る機会を避けるようになり、社会生活に支障が生じます。

人から注目を浴びるような場面で緊張するのは当然ですが、通常の範囲の緊張ならなんとかその場を切り抜けることができ、場数を踏むことで少しずつ緊張も弱くなっていきます。

しかし社会不安障害の場合は、場数を踏むことでむしろ恥をかいた記憶が積み重なり、予期不安が大きくなって症状が悪化します。

このような社会不安障害は何が原因で生じるのでしょうか。実はその詳しい原因はまだ分っていません。

ただ、脳の神経伝達物質の1つのセロトニンを増やすSSRIという抗うつ剤を服用すると症状が改善するので、セロトニンの不足が病気の発症に関係していると考えられています。

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