全般性不安障害の治療薬全般性不安障害は、自分や家族の健康や将来が異常に不安になるという病気で、20人に1人くらいが生涯に1度は発症すると言われています。

この病気は単なる心配性と区別がつきにくいこともあり、非常につらい症状があるにもかかわらず、治療を受けずに放置されることが少なくありません。

しかし、放置すると重症化して患者のQOL(生活の質)を大きく低下させるだけでなく、うつ病やパニック障害、アルコール依存症などの他の精神疾患を併発するリスクが高くなります。

全般性不安障害は精神科または心療内科で治療します。治療法には精神療法と薬物療法の2つがありますが、ここでは薬物療法についてお話します。

全般性不安障害の薬物治療は抗うつ剤の1つのSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の服用が中心になります。<!–more—>

第三世代の抗うつ剤と呼ばれるSSRIは、セロトニン受容体にだけ選択的に作用して、脳のセロトニン濃度を高める作用があります。そのため副作用が少なく、長期間の服用でも安全性が高いお薬です。

続きを読む

全般性不安障害の症状全般性不安障害は、自分や家族の健康や将来などが過剰に心配になり、不安を感じる病気です。

不安の内容は、統合失調症の人が「地下組織から命を狙われている」と思うような妄想的なものではなく、誰もが心配して当然のことです。

しかし、その程度がいわゆる心配性の域を超えているのです。

では、どこまでが心配性でどこからが全般性不安障害という病気なのでしょうか。

それは、その心配や不安が心や身体にどの程度影響を及ぼし、日常生活にどれくらい支障をきたしているかで診断されます。

まず、心配や不安が生じる頻度とそれが続く期間では、「心配や不安を感じない日よりも感じる日の方が多く、それが6カ月以上続いている」というのが全般性不安障害と診断される目安です。

また、全般性不安障害はその不安や心配の程度が大きいので、仕事に集中できない、イライラする、怒りっぽくなる、夜眠れない、などさまざまな二次的な精神症状が出てきます。

その他に、落ち着きがなくそわそわする、根気がなくなる、記憶力が低下する、気分が落ち込む、なにかをする意欲が低下する、などもよく現れる症状です。

このような症状のベースにあるのが、それがとても辛いという患者さんの気持ちです。

この辛さが長期間続くことによって、気分の落ち込みや意欲の低下がはげしくなり、うつ病を併発することが少なくないのが全般性不安障害の特徴です。

全般性不安障害は精神的な二次症状だけでなく、さまざまな身体症状もひき起こします。

もっとも多いのは、不安が続くことによる筋肉の緊張、肩こり、頭痛、頭が重い感じなどです。

めまいやフワフワする感じ、自分の身体ではないような感じがすると訴える患者さんもいます。

その他、強い不安は自律神経の失調を起こすことがあるので、それによる手足の冷えやほてり、突然の発汗、動悸や息切れなどの症状が出ることもあります。

頻尿や下痢の症状が出るケースもあります。

毎日のように続く強い不安に加えてこのような精神症状、身体症状があるようなら、単なる心配性というよりは全般性不安障害の可能性があります。

全般性不安障害は放置すると60%ともいわれる高い確率でうつ病を併発する病気です。

また、つらさを紛らわすためにお酒に頼って、アルコール依存症になるケースも少なくありません。

重症化して他の精神疾患を併発したりしないうちに専門医の診察を受けることが望まれます。

抗うつ剤、抗不安薬、睡眠薬、ED治療薬などは個人輸入なら

全般性不安障害の原因全般性不安障害は、いわば心配性が病的に高じた状態です。

患者さんは自分や家族の将来などについての心配や不安がいつも頭を離れないので、眠れない、仕事に集中できない、などの辛い日々を送ることになります。

100人のうち5人前後が一生に一度はかかる病気と言われていますが、病気のくわしい原因はまだ分っていません。

しかし、全般性不安障害を含む不安障害の患者は、脳の扁桃体の作用が異常に亢進していることが分っています。

扁桃体は脳の中心部分に左右一対ある、アーモンド形の神経細胞の集まりで、喜び,悲しみ,怒り,恐怖などの感情の処理や記憶をする役目をしています。

不安障害が治療によって改善すると扁桃体の作用も正常に戻るので、この病気に扁桃体が関係しているのはたしかです。

また、全般性不安障害には、抗うつ剤のSSRIが有効です。

続きを読む

zenpanfuan_genin 全般性不安障害とは不安障害の1つで、不安障害にはこの他にパニック障害と社交性不安障害があります。

パニック障害にはパニック発作(特定の場所に来ると突然激しい動悸におそわれるなど)という特徴的な症状があり、社交性不安障害にも人前に出ると手が震えるなどの分りやすい症状があります。

それに比べると全般性不安障害には「極端な心配性」という以外に特徴的な症状がありません。

誰でも自分や家族の健康や将来を心配するし、不安を抱くこともあります。

全般性不安障害も不安の内容は同じで、誰かが自分の命を狙っているなどという妄想的な不安ではありません。

つまり心配するものもっともなことを心配しているわけで、単なる心配性との区別が難しい病気です。

心配性と全般性不安障害という病気を区別する目安は、その心配や不安がどの程度日常生活に不利益を与えているかということです。

続きを読む