作家の芥川龍之介や詩人の金子みすゞなど睡眠薬で自殺をした有名人がいることもあり、現在でも睡眠薬を大量に飲めば死ぬと思っている人が少なくありません。
しかし、現在おもに処方されているデパスなどベンゾジアゼピン系の睡眠薬などは、いくら大量に服用しても死ぬことは不可能です。
芥川龍之介が飲んだ睡眠薬は、現在は発売が中止されているカルモチンという尿素系の睡眠薬です。
これは、副作用が強いために現在ではほとんど処方されなくなったバルビツール酸系の睡眠薬のさらに前の世代の「過去の睡眠薬」です。
睡眠薬は中枢神経の働きを鎮静させるお薬ですから、呼吸を抑制する副作用があり、大量に服用すれば死亡する危険がありました。
その点を改良して、尿素系からバルビツール酸系に、さらに現在主流になっているベンゾジアゼピン系に代わってきたのが睡眠薬の歴史なのです。
したがって、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬のハルシオンも、自殺する目的で大量に服用しても「成功」する確率はゼロと言ってもいいでしょう。