睡眠薬の種類を開発された年代で並べると次のようになります。
- 20世紀中頃 バルビツール酸系、非バルビツール酸系
- 20世紀終盤 ベンゾジアゼピン系(デパスなど)、非ベンゾジアゼピン系
- 21世紀初め メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬
この中でもっとも古いバルビツール酸系と非バルビツール酸系の睡眠薬は、催眠効果はそれ以後に登場した睡眠薬よりも強いのですが、耐性や依存性が作られやすく、その他の副作用も強いので、現在ではほとんど使われることがなくなりました。
現在もっともよく処方されているのは、その次に開発されたベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。
効果の強さはバルピツール酸系のお薬におよびませんが、耐性や依存性を形成しにくい安全なお薬であることが評価されたのです。
レンドルミンはベンゾジアゼピン系に属するお薬です。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬には非常にたくさんの種類(商品)がありますが、効果の強さという点ではお互いにそれほどの差がありません。
では、どういう基準でお薬を選ぶかというと、効果が出始める時間と効果の持続時間です。睡眠薬は効果の持続時間によって次の4つに分けられます。
- 超短時間型 作用時間2~4時間
- 短時間型 作用時間6~10時間(レンドルミンやデパス)
- 中時間型 作用時間12~24時間
- 長時間型 作用時間24時間以上効く
このどれにも該当する商品があるバラエティーの豊かさがベンゾジアゼピン系の特徴で、レンドルミンは短時間型に属し、服用後1.5時間でもっとも効き目が強くなり、約7時間効果が持続します。
つまりレンドルミンは、寝つきのわるい入眠困難の症状にも、夜中に目を覚ます中途覚醒の症状にも使える、使い勝手の良いお薬なのです。
人の睡眠時間は7~8時間ですから、日中に眠気を持ちこさないというメリットもあります。
ちなみに、もっとも効き目が強くなる時間とは薬の血中濃度が最高になる時間(最高血中濃度到達時間)で、効果の持続時間とは血中濃度が最高時の半分になるまでの時間(半減期)です。
今世紀に入ってから登場したメラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬との比較も気になるところです。
睡眠ホルモンと言われるメラトニンに作用するメラトニン受容体作動薬は自然な眠気をもよおす安全性の高いお薬ですが、効果の強さではレンドルミンよりも劣ります。
オレキシン受容体拮抗薬は日本では2014年に承認されたばかりの新しいお薬で、まだ処方例も多くありませんが、耐性や依存性を形成せず、効果の強さもレンドルミンなどベンゾジアゼピン系のお薬と同じくらいとされているので、今後使用例が増えると予想されています。
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