夜の睡眠と昼の覚醒のリズムを刻んでいるのが体内時計です。
体内時計は脳の松果体という部分にあると考えられていますが、人に限らず24時間周期で昼と夜が交替する地球上で進化してきた生物には必ず備わっている機能です。
体内時計が1日のリズムを刻むために分泌されるホルモン(脳内神経伝達物質)がセロトニンとメラトニンです。
朝になるとセロトニンの分泌が活発になり、体温が上がって目が覚めます。日中はセロトニンの分泌が続いて心身を活動モードに保ちます。 続きを読む
夜の睡眠と昼の覚醒のリズムを刻んでいるのが体内時計です。
体内時計は脳の松果体という部分にあると考えられていますが、人に限らず24時間周期で昼と夜が交替する地球上で進化してきた生物には必ず備わっている機能です。
体内時計が1日のリズムを刻むために分泌されるホルモン(脳内神経伝達物質)がセロトニンとメラトニンです。
朝になるとセロトニンの分泌が活発になり、体温が上がって目が覚めます。日中はセロトニンの分泌が続いて心身を活動モードに保ちます。 続きを読む
睡眠薬は止めるタイミングが難しいお薬です。
例えば、睡眠薬を使用して3~4週間眠れる状態が続いたとしても、不眠症が治った(眠る力が回復した)のか薬のせいで眠れているのか分からないからです。
とくに、薬を飲み忘れて眠れなかった経験を持つ患者さんは、まだ不眠症が治っていないと思ってしまうことがあります。
しかしそれは、不眠症が治っていないのではなく、「反跳性不眠」という急に薬を止めたことによる反動の場合があります。 続きを読む
国連の機関である国際麻薬統制委員会の2010年の報告によると、日本は世界の主要国の中では国民1人当たりのベンゾジアゼピン系薬の使用量が突出した第1位なんです。
主要国以外のすべての国の中でもベルギーに次いで第2位になっています。その使用量はアメリカの約5倍、フランスの約3倍におよんでいます。
その原因は、日本人に不眠症の患者が多いというような正当な理由ではなく、医師が安易に睡眠薬を処方する傾向があることがもっとも大きな理由と考えられています。 続きを読む
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、現在日本でもっとももよく使用されている睡眠薬で、作用時間の違う多くの商品が発売されています。
眠りをもたらすしっかりした効果があり、副作用が少ないのが特徴です。
日本で使われてきた睡眠薬の歴史を振り返ると、戦後すぐの1950年代はバルビツール酸系の睡眠薬がよく使われていました。
この薬は催眠効果は優れていますが副作用が大きく,耐性や依存性を形成しやすいという欠点があります。
続きを読む
睡眠導入剤という用語は、医師によって①睡眠薬の内でとくに寝付きを良くするお薬という意味で使う人と、②睡眠薬と同じ意味で使う人がいます。
どちらかというと①の意味で使われることが多いようです。
睡眠障害(不眠症)には、寝つきが悪い「入眠困難」、夜中に目が覚める「中途覚醒」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」などのパターンがあります。
寝つきをよくするという意味での睡眠導入剤が使われるのは、この内の入眠困難の場合です。 続きを読む
現在日本の病院で処方されている睡眠薬は大きく分けると5つに分類できます。
それを開発が古い順に並べると次のようになります。
カッコの中は日本でよく使用されるようになった年代です。
この中で眠気を催す効果がもっとも高いのは、最近できた薬ではなく、もっとも開発年代の古いバルビツール酸系の睡眠薬です。 続きを読む
睡眠薬の副作用でもっとも注意したいのは、長期服用と大量服用によって形成される「耐性」と「依存性」です。
耐性とはお薬に身体が慣れてしまって同じ服用量ではだんだん効き目がわるくなることです。
依存性とはやはりお薬に身体が慣れることで、服用を中止すると心身に変調が現れることです。
現在主流になっている「ベンゾジアゼピン系(デパスなど)」や「非ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬にも耐性と依存性が出る可能性があります。 続きを読む
現在日本で処方されている睡眠薬は次の5種類です。
この中で催眠効果がもっとも強いのは1の「バルビツール酸系」ですが、睡眠中の呼吸が浅くなるなどの副作用が強いので現在では特別な場合をのぞいては処方されることがありません。
飲み続けると薬が効きにくくなる耐性や依存性ができやすいリスクも大きいお薬です。
反対に催眠効果がもっとも弱いのが4の「メラトニン受容体作動薬」です。
欧米や東南アジアでは薬局でもメラトニンを手軽に購入でき、快眠や時差ぼけの解消などに一般的に使われます。
メラトニンは人の自然な睡眠リズムを作る脳内ホルモンで、メラトニン受容体作動薬はそのはたらきを強化する作用がありますが、加齢やストレス、生活習慣などで量が減って睡眠の質や量が低下するのです。