睡眠薬を希望するかた現在日本の病院で処方されている睡眠薬は大きく分けると5つに分類できます。

それを開発が古い順に並べると次のようになります。

カッコの中は日本でよく使用されるようになった年代です。

  • バルビツール酸系(1950年代)
  • ベンゾジアゼピン系(1980年代)
  • 非ベンゾジアゼピン系(1990年代)
  • メラトニン受容体作動薬(2010年)
  • オレキシン受容体拮抗薬(2014年)

この中で眠気を催す効果がもっとも高いのは、最近できた薬ではなく、もっとも開発年代の古いバルビツール酸系の睡眠薬です。 続きを読む

睡眠薬の副作用睡眠薬の副作用でもっとも注意したいのは、長期服用と大量服用によって形成される「耐性」と「依存性」です。

耐性とはお薬に身体が慣れてしまって同じ服用量ではだんだん効き目がわるくなることです。

依存性とはやはりお薬に身体が慣れることで、服用を中止すると心身に変調が現れることです。

現在主流になっている「ベンゾジアゼピン系(デパスなど)」や「非ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬にも耐性と依存性が出る可能性があります。 続きを読む

現在日本で処方されている睡眠薬は次の5種類です。

  1. 日本では1950年代から使われてきた「バルビツール酸系」
    効き目は強いが副作用や依存性も強いので現在はあまり使われていません。
  2. 1980年代からよく使用されるようになった「ベンゾジアゼピン系」
    現在もっともよく使われている睡眠薬で、作用時間が異なる多くの種類があります。
  3. 1990年代から使用されるようになった「非ベンゾジアゼピン系」
    ベンゾジアゼピン系の足元がふらつく副作用を軽減したお薬です。
  4. 2010年から販売されている「メラトニン受容体作動薬」
    効き目はおだやかですが、副作用がほとんどなく安全性が高いお薬です。
  5. 2014年から販売されている「オレキシン受容体拮抗薬」
    もっとも新しいタイプの睡眠薬で、耐性・依存性がほとんどないのが特徴です。

この中で催眠効果がもっとも強いのは1の「バルビツール酸系」ですが、睡眠中の呼吸が浅くなるなどの副作用が強いので現在では特別な場合をのぞいては処方されることがありません。

飲み続けると薬が効きにくくなる耐性や依存性ができやすいリスクも大きいお薬です。

反対に催眠効果がもっとも弱いのが4の「メラトニン受容体作動薬」です。

欧米や東南アジアでは薬局でもメラトニンを手軽に購入でき、快眠や時差ぼけの解消などに一般的に使われます。

メラトニンは人の自然な睡眠リズムを作る脳内ホルモンで、メラトニン受容体作動薬はそのはたらきを強化する作用がありますが、加齢やストレス、生活習慣などで量が減って睡眠の質や量が低下するのです。

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睡眠薬の副作用睡眠薬に怖い薬というイメージがあるのは、「いちど飲み始めるとなかなか薬が止められなくなる」と言われる依存性があるからです。

現在もっとも多く処方されている睡眠薬はベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、ハルシオンやデパス、レンドルミンなどの有名なお薬はすべてその仲間です。

このベンゾジアゼピン系の睡眠薬にも依存性が生じることがあるので、睡眠薬が怖いというイメージはもっとものように思われます。 続きを読む

あがり症にデパス?抗うつ剤のような、服用を始めてから効果が出るまでに数週間かかるお薬は「頓服」として服用することはできません。

しかし、抗不安薬(精神安定剤)は効き目が数十分~数時間以内に出るので、症状が出たときだけ、あるいは出そうなときだけ頓服薬として使用することができます。

デパスはキレのある抗不安作用があるうえに、服用してから30分くらいで効果が出だし、約3時間で薬の血中濃度がマックスになる(効き目がもっとも強くなる)こと、半減期(効き目が持続する時間)が6時間と短いことから、頓服としての使用にも適しています。 続きを読む

サインバルタと不眠うつ病の症状の1つに不眠がありますが、それを治療する抗うつ剤に不眠の副作用があるのは困ったものです。

また、抗うつ剤の中には逆に眠気の副作用があるものもあり、ちょっとややこしいので、そのへんも少し整理をしておきましょう。

まず、抗うつ剤で不眠の副作用が出ることがあるのは、三環系抗うつ剤、SSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)、サインバルタをふくむSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害)です。 続きを読む

デパスの安全性デパスは不安や緊張をやわらげる抗不安薬(精神安定剤)です。

精神的な緊張だけでなく筋肉の緊張をほぐす作用も強いので、精神科領域だけでなく、整形外科や内科などでも広く使われているお薬です。

デパスは現在抗不安薬の主流になっているベンゾジアゼピン系抗不安薬の1つで、その中でも不安を解消させる効きめが強いお薬です。

しかし、デパスは効果が強いぶん副作用も比較的強く、使用には注意が必要です。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬には①抗不安作用、②筋肉弛緩作用、③催眠作用、④抗けいれん作用の4つの作用がありますが、薬によってそのどれが強いかは異なっています。

デパスの場合は、抗不安作用と筋肉弛緩作用が強いのが特徴です。

デパスの強い抗不安作用にともなう副作用でもっとも注意しなければいけないのは、「耐性」と「依存性」です。

耐性とは、同じ薬を飲み続けることでだんだん薬の効き目が弱くなることで、耐性ができると服用量が増えがちになります。

依存性とは、デパスを飲むことによって不安が解消されるという快感を味わうことで、しだいに精神的にも身体的にも薬に頼る状態が形成されることです。

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妊娠中のデパス服用デパスは不安障害などの患者さんの不安や緊張をしずめる抗不安薬(精神安定剤)です。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬の1つで、そのなかでも不安をしずめる作用が強いので、よく使用されているお薬です。

このデパスの服用中に妊娠が分った場合はどうしたらよいでしょうか。

まず、デパスの添付文書には「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」と書かれています。

これは「できるだけ使わない方が良いが、使わないことで母親の健康に大きな不利益がある場合は使用もやむを得ない」という意味です

できるだけ使わない方が良い、という理由を添付文書では、以下のように説明しています。

  • 妊娠前期(~3か月)に使用すると動物実験で奇形が多くなるという報告があるから。
  • 妊娠後期に使用すると新生児に傾眠、低体温、筋緊張低下、仮死などの報告があるから。

また、日本の厚生労働省にあたる米国FDAでは「薬剤胎児危険度分類基準」で、デパスを含むベンゾジアゼピン系抗不安薬を、5段階のうちで2番目に高い危険度にランク付けしています。

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デパスの離脱症状デパスは不安や緊張をやわらげる抗不安薬(精神安定剤)です。

抗不安薬は現在はベンゾジアゼピン系のお薬が主流で、デパスもその1つです。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬の中でもデパスは不安を抑える効果や緊張をほぐす効果が高く、もっともよく使用されているお薬です。

しかし、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は服用をやめるときに離脱症状が出ることがあり、デパスは効果が強いぶん離脱症状も強めになっています。

お薬の離脱症状とは、長い期間服用することで身体がそのお薬が効いている状態に慣れてしまって、効果が切れたときに自律神経の失調などが生じて、心身に不調が生じることです。

具体的な症状としては、頭痛、肩こり、発汗、吐き気、震え、動悸などの身体症状や、緊張、イライラ、落ち着きのなさなどの精神症状があります。

抗不安薬の中でも離脱症状が出やすいのは、不安をしずめる効果が強く、半減期が短い(効果の持続時間が短い)お薬です。

デパスはこの両方に該当するので(半減期は約6時間)、離脱作用も他の抗不安薬より強めに出ます。

抗不安薬の離脱症状が問題になるのは、不安の症状が改善してじょじょにお薬を減らしていく時です。

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デパスとお酒デパスは不安や緊張をやわらげる抗不安薬(精神安定剤)ですが、お酒とはたいへん相性が悪いお薬です。

それは、抗不安薬もアルコールも中枢神経に作用する物質なので、同時に服用すると相乗的に作用が増強したり、不安定になったりするからです。

デパスもアルコールもそれぞれ単独で服用すると、中枢神経には抑制的に作用して、緊張をやわらげて心をリラックスさせる効果があります。

しかし、この2つを同時に摂ると、どんな効果が出てくるのか予想がつかなくなります。

少しのお酒で泥酔状態になったり、ふだんは酔っても言わないことを言いだして人間関係を壊したり、ということが起きがちになのです。

これはデパスとアルコールを併用することで、それぞれの血中濃度の変化が不安定になるからだと考えられます。

肝臓での分解も通常よりは遅くなるので、薬の効果や酔いが強く出て眠くなったり、逆に興奮したりすることもあります。

また、翌日まで影響が残り、二日酔いになりがちです。

つまり、併用するとお互いの悪いところが出てくるのですが、デパスの副作用が強く出るのもその1つです。

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