デパスの依存性デパスはパニック障害などの不安障害や強迫性障害などの治療に使われる抗不安薬です。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬の1つで、不安をしずめる効果が強くよく使用されているお薬です。

しかし、デパスには服用を続けるうちに依存性がでるというマイナス面があります。

これはベンゾジアゼピン系の抗うつ剤に共通の副作用ですが、デパスは効果が強いぶん依存性も強めに出ます。

お薬の依存性とはタバコやアルコールへの依存と同様に、長期間摂取することで精神的、身体的にそれがなしでは落ちつかなくなり、いつも欲しがるようになることです。

「気持ち良くなる」、「落ち着く」などの効果が強い物質ほど依存性が形成されやすい傾向があります。

デパスが抗不安薬の中で比較的依存性が出やすい理由は、薬の効果が強いということの他に、薬の半減期(効き目が持続する時間)が6時間と短いことがあります。

抗不安薬の中には100時間以上の時間をかけてじわじわと効果が薄れていくものもありますが、そういうお薬に比べてデパスは早く効果が切れて、依存性が出やすいのです。

では、最初から依存性が出にくいお薬を選べば良いかというと、そうは言えません。

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デパス錠デパスは心の不安や緊張をやわらげる抗不安薬です。

抗不安薬は一般には精神安定剤という名前で知られているお薬で、うつ病、不安障害(パニック障害・社交不安障害・全般性不安障害)、強迫性障害などの治療に使用されています。

その中でもデパスはもっともよく使用されている、優れた抗不安作用を持つお薬です。

抗不安薬には多くの種類があり、それぞれに特徴と、メリット・デメリットがあります。

患者さんがたくさんのお薬の特徴をすべて知ることはできず、その必要もありませんが、特徴を知る1つの目安になるのが、それぞれのお薬の「最高血中濃度到達時間」(Tmax)と「血中濃度半減期」(T1/2)です。

最高血中濃度到達時間(Tmax)とは、服用してから薬の効き目がもっとも強くなるまでの時間です。

デパスは約3時間でTmaxに達します。他の抗不安薬は1~8時間なので、デパスはそれほど速効型ではないが、そこそこ早めに効果が出るタイプです。

しかし、多くは2~4時間なので、お互いにそれほどの差はありません。

血中濃度半減期(T1/2)とは血液中の薬の成分がTmaxの半分になる時間です。

これがおおよその薬の効果の持続時間になります。

デパスの半減期は約6時間なので、デパスの抗不安作用の持続時間も約6時間ということができます。

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デパス錠デパスは「抗不安薬」の1つで、一般的には「精神安定剤」と呼ばれるお薬の仲間です。

現在使用されている抗不安薬のほとんどは「ベンゾジアゼピン系」のお薬で、デパスもその1つです。

ベンゾジアゼピン系抗のお薬は、中枢神経のGABA受容体という器官に作用して神経活動を抑制するはたらきがあり、それによって①抗不安作用、②筋肉弛緩作用、③催眠作用、④抗けいれん作用をあらわします、

デパスはこのうちの抗不安作用と筋肉弛緩作用がとくに強く、現在世界でもっともよく使用されている抗不安薬です。

しかし、効果が強い半面、薬に対する依存性が生じやすく、副作用も多めなので、注意深い使用が必要とされています。

デパスが使用される病気とその適応は次のようなものです。

  • 不安障害(パニック障害、社交性不安障害全般性不安障害)の不安・緊張を軽減する
  • 強迫性障害の強迫観念の軽減
  • うつ病の不安、睡眠障害の改善
  • 心身症の肩こり、筋肉痛、高血圧、胃・十二指腸潰瘍の改善
  • 統合失調症の睡眠障害の改善
  • 頸椎症,腰痛症の改善

デパスは不安を取り除く効果が大きいのですが、効果の持続時間(血中濃度の半減期)が6時間と短めです。

そのために生じやすいのが、お薬の効果が薄れてくるとすぐに服用したくなる依存性です。

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