睡眠薬とアルコールは、どちらも脳・中枢神経に抑制的、鎮静的に作用します。
したがってこの2つを同時に服用すると、相互にこの作用を強めあって、単独で使用したときとは異なる「予想できない作用」が出る危険があります。
お酒を飲んだ後に睡眠薬を服用すると、ふだんなら悪酔いしない程度のお酒でも、気分が悪くなったり、二日酔いになったりすることがあります。
デパスなど睡眠薬と併用することで、アルコールの作用が予測できなくなるのです。 続きを読む
寝付きの悪さを解消する睡眠導入剤としてよく使われているハルシオンは、「超短時間型」に分類される半減期の短い睡眠薬です。
半減期とは、薬の有効成分の血中濃度が最高値の1/2になるまで要する時間のことで、これが薬の効果が持続する時間のおおよその目安になります。
ハルシオンは服用後1.2時間で最高血中濃度に達し、その後2.9時間で半減期になります。
最高血中濃度に達したときに薬の効き目がもっとも強くなりますが、ハルシオンの眠気をもたらす効果は服用後10~15分くらいで出始めます。 続きを読む
作家の芥川龍之介や詩人の金子みすゞなど睡眠薬で自殺をした有名人がいることもあり、現在でも睡眠薬を大量に飲めば死ぬと思っている人が少なくありません。
しかし、現在おもに処方されているデパスなどベンゾジアゼピン系の睡眠薬などは、いくら大量に服用しても死ぬことは不可能です。
芥川龍之介が飲んだ睡眠薬は、現在は発売が中止されているカルモチンという尿素系の睡眠薬です。
これは、副作用が強いために現在ではほとんど処方されなくなったバルビツール酸系の睡眠薬のさらに前の世代の「過去の睡眠薬」です。
睡眠薬は中枢神経の働きを鎮静させるお薬ですから、呼吸を抑制する副作用があり、大量に服用すれば死亡する危険がありました。
その点を改良して、尿素系からバルビツール酸系に、さらに現在主流になっているベンゾジアゼピン系に代わってきたのが睡眠薬の歴史なのです。
したがって、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬のハルシオンも、自殺する目的で大量に服用しても「成功」する確率はゼロと言ってもいいでしょう。
マイスリーは非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で作用時間が超短時間型に属するお薬です。
お薬の効き目がもっとも強くなる最高血中濃度到達時間が服用後40~55分で、半減期(効果の持続時間)は約2時間です。
したがってマイスリーが適しているのは、不眠症の中でも寝付きがわるい入眠障害の場合で、夜中に目が覚める中途覚醒や朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒には向いていません。
マイスリーは短時間型の睡眠薬の中では、しっかりした効果があり副作用が少ない使いやすいお薬として、たいへんよく処方されているお薬です。
しかし、一方ではマイスリーを飲むと幻覚が生じることがあると言われ、ネット上でもしばしばそのような記事が見受けられます。 続きを読む
レンドルミンは、現在睡眠薬の主流になっているベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中でも、デパスと並びもっともよく処方されているお薬です。
その理由は、服用後15~30分くらいで効果が現れ、約7時間効果が持続するので、どのタイプの不眠にも使える使い勝手の良いお薬だからです。
睡眠薬は効果が持続する時間によって①超短時間型(効果が3~4時間持続)、②短時間型5~7時間)、③中時間型(7~8時間)、④長時間型(9~10時間)の4タイプに分類されています。 続きを読む
レンドルミンは現在主流になっているベンゾジアゼピン系の睡眠薬の1つで、短時間型に属するお薬です。
服用後15~30分くらいで効果が現れて、1.5時間後に最高血中濃度(薬の効果がもっとも高い時間帯)に達し、薬の効果は6~7時間持続します。
このように、そこそこの即効性があり、効果の持続時間が人の平均睡眠時間に近いレンドルミンは使い勝手がよく、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中でもデパスと並びとくに使用例が多いお薬です。
レンドルミンを含むベンゾジアゼピン系系の睡眠薬は1980年代からよく使われるようになりました。
それ以前に使用されていたバルビツール酸系睡眠薬よりは副作用が少なく、安全性の高いお薬だからです。 続きを読む
睡眠薬の種類を開発された年代で並べると次のようになります。
この中でもっとも古いバルビツール酸系と非バルビツール酸系の睡眠薬は、催眠効果はそれ以後に登場した睡眠薬よりも強いのですが、耐性や依存性が作られやすく、その他の副作用も強いので、現在ではほとんど使われることがなくなりました。
現在もっともよく処方されているのは、その次に開発されたベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。
効果の強さはバルピツール酸系のお薬におよびませんが、耐性や依存性を形成しにくい安全なお薬であることが評価されたのです。 続きを読む