過食症で嘔吐過食症のもっとも特徴的な症状は言うまでもなく「食べ過ぎ」ですが、具体的にどれくらい食べれば過食なのかという基準はありません。

食べる量は明かに過剰なのですが、むしろ症状としては、食べ方や食べる時の心理状態に現れます。過食症に典型的な食べ方は、味わって食べるというよりは、口に詰め込むという感じです。

また、食べている時の心理は、「美味しくはないけど食べるのを止められない」「食べてはいけないという罪悪感があるのに、食べ物を口に入れる手が止まらない」などが典型的です。

なかには、無理に食べるのを止めようとすると過呼吸になる、涙があふれてくるなどの、身体症状が出る人もいます。 続きを読む

過食症過食症の人に太ることへの強い恐怖心があるというと奇妙に聞こえるかもしれませんが、過食は拒食の反動であることが多く、ダイエットのストレスなどをきっかけに発症するケースがほとんどです。

過食症の人は、太ることへの過剰な恐怖心があるにもかかわらずなぜ過食をしてしまうのでしょうか?

そこには、太ることへの恐怖心、食べることへの罪悪感がかえって過食につながるという、倒錯した関係があります。

モデル体型という言葉がありますが、太っているようには見えない人でも、若い女性の多くがもっとやせたいという願望を持っています。 続きを読む

過食症で嘔吐過食症は単なる食べ過ぎの傾向ではなく、心療内科や精神科の医師の力を借りて治療しなければならない病気です。

では食べ過ぎと過食症はどこが違って、どんなときに過食症と診断されるのでしょうか。

まず、たまにドカ食いをしてしまうというのではなく、日常的にふつうよりも明らかに多い量の食事をしていることが、過食症の診断基準の1つです。

そして、そのときに食べるのを抑制できないという感覚があることも診断基準になります。 続きを読む

過去の辛い記憶「時間薬」という言葉があります。小さな切り傷などは血が止まるとかさぶたができて、やがて跡形もなく消えてしまいます。

失恋した人を慰める時も、時間薬という言葉が使われることがあります。しかし、心の傷や辛い経験も時間薬で癒されるものもありますが、繰り返し心に浮かびその度に強い情動をともなって人を苦しめるものもあります。

あんなことがなければどんなに良かっただろうと思う辛い記憶には、必ず自分と「特定の誰か」という2人の登場人物がいます。 続きを読む

泣くことでストレス解消ストレスの中でもっとも大きいのは配偶者の死だといいますが、子どもの死や親の死もそれに劣らぬ大きなストレスです。

このような心が壊れてしまいそうな大きなストレスがのしかかってきたときに、人は「泣く」というストレス解消の手段を持っています。

このような時に「涙も見せず気丈にふるまっている」と本当に心が壊れてしまって、うつ病などの深刻な精神障害におちいることがあります。 続きを読む

断る勇気何かが気がかりで安心できない心の状態が「不安」ですが、不安は私たちに危険を避けるための準備行動や回避行動をとらせる心の安全装置でもあります。

しかしこの不安が合理性を超えて過剰になると、パニック障害や強迫性障害などの「不安障害」という病気になります。

このような病気になりやすい人、不安が大きくなりやすい人には、人間関係でのある共通した傾向がみられます。それは「他人の頼みを断れない」ということです。

不安が強い人ほど周囲の評価を気にする傾向があり、頼みごとを断わって人に嫌われることを強く怖れます。 続きを読む

無意味な悩み野坂昭如さんの歌にあるように「ソクラテスも、プラトンも、みんな悩んで大きくなった」という悩みならいいのですが、残念ながら心に不安を抱いている人の悩みは、悩めば悩むほどよけい悩みや不安が大きくなるものが多いようです。

意味のある悩みとは、理解しにくい状況を正しく認識しようとする努力や、その状況を改善しようとする努力にともなう悩みです。

こういう悩みなら、あきらめて放置するより良いのはもちろんですし、人を一回り大きくしてくれる前向きの悩みです。 続きを読む

ストレスを溜めないストレスという言葉が医学・生理学の分野で使われるようになったのは、1930年代にカナダのハンス・セリエという生理学学者が「ストレス学説」を発表してからです。ス

トレスという言葉はもともと材料力学の用語で、鉄などの材料にどれくらいの力を加えるとどのように変化するかを調べるときに使われていました。ストレス学説はそれを生理学に応用したのです。

材料は力(ストレス)を加えられると伸びたり、縮んだり、歪んだりしますが、一定以上の力が加えられると破壊されます。 続きを読む

ストレスと頭痛「あいつにも困ったもんだ。頭が痛いよ」などというように、心配ごとやストレスで頭が痛くなるのは誰にも覚えのあることです。

心身症というのはストレスが原因で生じる身体の病気のことですが、頭痛や胃痛などはとくにストレスの影響をうけやすい所です。

しかし、どうしてストレスのせいで頭痛が起きるのでしょうか。改まってそう聞かれても困るでしょうが、そのもっとも大きな理由は、過剰なストレスは自律神経の働きを失調させるからです。 続きを読む

拒食症のチェック拒食症は、①体重を増やすことに対する強い恐怖があり、②健康を害するほどやせているのに、③極端に食事を制限し続ける病気です。

同時に、④やせているのにまだ太っているという身体像(ボディイメージ)のゆがみがあり、⑤やせすぎていることの危険性に対する認識の欠如がともなっています。

このような要件が揃えば拒食症と診断されますが、見た目にも分りやすい体重の基準は、BMIが17.5以下となっています。これは身長150cmでは体重が39.3kg以下の人が該当します。 続きを読む