どんな高いところでも怖くないという人がいたら、その人こそある意味で精神障害というべきかもしれません。
だれでも高いところは怖いし、そういう感覚は安全に暮らしていくために必要でもあります。
しかし、高所恐怖症は不安障害の中の限局性恐怖症の1つとして認められています。
では高所に対する恐怖は、どこまでが正常でどこからが病気なのでしょうか。もちろん、高さ何メートルまでとか、ビルの何階まで、というような線引きはできません。 続きを読む
どんな高いところでも怖くないという人がいたら、その人こそある意味で精神障害というべきかもしれません。
だれでも高いところは怖いし、そういう感覚は安全に暮らしていくために必要でもあります。
しかし、高所恐怖症は不安障害の中の限局性恐怖症の1つとして認められています。
では高所に対する恐怖は、どこまでが正常でどこからが病気なのでしょうか。もちろん、高さ何メートルまでとか、ビルの何階まで、というような線引きはできません。 続きを読む
ユーロジンはベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、お薬のタイプは中途覚醒や早朝覚醒に効果がある中時間型に属します。
即効性はないので入眠障害の治療には向きません。1970年代に発売された比較的古いお薬ですが、効果がおだやかで副作用が少ないので、現在もよく処方されています。
もちろん、副作用が少なめといってもまったくないわけではありません。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に共通の副作用として、①眠気の翌日への持ちこし、②ふらつき、転倒、③意識のもうろう状態、健忘、④耐性、依存性の形成、があります。 続きを読む
ユーロジンは中時間型に属するベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。
日本での発売は1977年で、ベンゾジアゼピン系ではもっとも古い睡眠薬ですが、現在でもよく使用されています。
飲むとすぐ眠くなるという即効性はありませんが、中途覚醒や早朝覚醒を防いでゆっくり眠れる効果があります。
ユーロジンの薬物動態(効き目の出かた)は、服用後に成分の血中濃度が最高に達するまでに約5時間かかり、それが1/2になる(半減期)までにさらに24時間かかります。 続きを読む
「病は気から」という言葉がありますが、心身症とはまさにこの「気からきた病」のことです。
息子の就職がなかなか決まらないので心配で頭が痛い、というときの頭痛は心身症です。息子さん本人も悩んで円形脱毛症を起こしたとしたら、それも心身症です。
「胃に穴の開くような思い」をして本当に胃潰瘍になることもあり、「都会暮らしをしている間はずっと血圧が高かったが、田舎に引っ越すと血圧が下がった」というのは、逆に心身症の高血圧が環境の変化によって治ったケースです。
心身症とは、このように心が関係している病気ですが、うつ病とかパニック障害などの「心の病気」は除外されます。精神的なストレスが原因で発症した身体の病気が心身症です。
心身症は消化器官や循環器系に出るだけでなく、呼吸器(ぜんそく、過呼吸)にも、生殖器(月経不順、ED)にも、筋肉(肩こり)にも、皮膚(じんましん、アレルギー)にもでます。
勃起不全(ED)は皆が遅かれ早かれ経験しますがED治療薬で容易に改善できます。
このように、いわば身体のいたるところに出る可能性があるのは、心身症はストレスが自律神経を失調させて、その影響が身体のどこに出る病気だからです。
ベルソムラは2014年に発売されたオレキシン受容体拮抗薬という新しいタイプの睡眠薬です。
オレキシンとは人が目覚めた状態を保つための脳内物質で、ベルソムラはその働きを抑制することで眠りをもたらします。これは、これまでの中枢神経を鎮静させる作用の睡眠薬とはまったく違うメカニズムです。
発売からまだあまり時間がたっていないので、効果や副作用については明かになっていない点もありますが、これまでの睡眠薬に比べて副作用が少なく、安全性が高いことが注目されています。
ベルソムラの最も期待されている特徴は、これまでの睡眠薬ではつねに問題になってきた耐性と依存性がほとんどないということです。
耐性とは同じ薬を飲み続けることでだんだん効き目が弱くなってくることで、依存性とは同じ薬を飲み続けることで薬を止めようとすると離脱症状が出ることです。
現在おもに使用されている睡眠薬はベンゾジアゼピン系または非ベンゾジアゼピン系に属するお薬です。
この2つはそれ以前のバルビツール系睡眠薬にくらべると耐性や依存性が出にくいお薬ですが、やはり長期間服用を続けるとこの問題が出てきます。
ベルソムラは副作用が少ない安全な睡眠薬として注目されているお薬です。
発売されたのは2014年で、オレキシン受容体拮抗薬というまったく新しいタイプの睡眠薬です。とくに注目されているのは、睡眠薬には付きものと思われていた耐性や依存性がほとんど出ないということです。
耐性とは、同じ薬を飲んでいるとだんだん効き目が弱くなってくることです。同じ効果を得ようとすると服用量がどんどん増えてきます。 続きを読む
「時間薬」という言葉があります。小さな切り傷などは血が止まるとかさぶたができて、やがて跡形もなく消えてしまいます。
失恋した人を慰める時も、時間薬という言葉が使われることがあります。しかし、心の傷や辛い経験も時間薬で癒されるものもありますが、繰り返し心に浮かびその度に強い情動をともなって人を苦しめるものもあります。
あんなことがなければどんなに良かっただろうと思う辛い記憶には、必ず自分と「特定の誰か」という2人の登場人物がいます。 続きを読む
ストレスの中でもっとも大きいのは配偶者の死だといいますが、子どもの死や親の死もそれに劣らぬ大きなストレスです。
このような心が壊れてしまいそうな大きなストレスがのしかかってきたときに、人は「泣く」というストレス解消の手段を持っています。
このような時に「涙も見せず気丈にふるまっている」と本当に心が壊れてしまって、うつ病などの深刻な精神障害におちいることがあります。 続きを読む
何かが気がかりで安心できない心の状態が「不安」ですが、不安は私たちに危険を避けるための準備行動や回避行動をとらせる心の安全装置でもあります。
しかしこの不安が合理性を超えて過剰になると、パニック障害や強迫性障害などの「不安障害」という病気になります。
このような病気になりやすい人、不安が大きくなりやすい人には、人間関係でのある共通した傾向がみられます。それは「他人の頼みを断れない」ということです。
不安が強い人ほど周囲の評価を気にする傾向があり、頼みごとを断わって人に嫌われることを強く怖れます。 続きを読む
野坂昭如さんの歌にあるように「ソクラテスも、プラトンも、みんな悩んで大きくなった」という悩みならいいのですが、残念ながら心に不安を抱いている人の悩みは、悩めば悩むほどよけい悩みや不安が大きくなるものが多いようです。
意味のある悩みとは、理解しにくい状況を正しく認識しようとする努力や、その状況を改善しようとする努力にともなう悩みです。
こういう悩みなら、あきらめて放置するより良いのはもちろんですし、人を一回り大きくしてくれる前向きの悩みです。 続きを読む