ベルソムラの効果ベルソムラは2014年に発売されたオレキシン受容体拮抗薬という新しいタイプの睡眠薬です。

オレキシンとは人が目覚めた状態を保つための脳内物質で、ベルソムラはその働きを抑制することで眠りをもたらします。これは、これまでの中枢神経を鎮静させる作用の睡眠薬とはまったく違うメカニズムです。

発売からまだあまり時間がたっていないので、効果や副作用については明かになっていない点もありますが、これまでの睡眠薬に比べて副作用が少なく、安全性が高いことが注目されています。

ベルソムラの最も期待されている特徴は、これまでの睡眠薬ではつねに問題になってきた耐性と依存性がほとんどないということです。

耐性とは同じ薬を飲み続けることでだんだん効き目が弱くなってくることで、依存性とは同じ薬を飲み続けることで薬を止めようとすると離脱症状が出ることです。

現在おもに使用されている睡眠薬はベンゾジアゼピン系または非ベンゾジアゼピン系に属するお薬です。

この2つはそれ以前のバルビツール系睡眠薬にくらべると耐性や依存性が出にくいお薬ですが、やはり長期間服用を続けるとこの問題が出てきます。

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マイスリーマイスリーは非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で2000年に発売が開始されました。即効性があり入眠障害の治療に適しています。

副作用が少なく、現在もっともよく処方されている睡眠薬の1つです。

非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系の副作用である筋弛緩作用によるふらつきや転倒がほとんどないのが特徴です。

筋肉の緊張をやわらげる効果はありませんが、睡眠薬としては夜中にトイレに起きたときのふらつきや転倒の心配が少なくなります。 続きを読む

リスミーリスミーは現在よく使用されているベンゾジアゼピン系の睡眠薬の1つです。

この系統の睡眠薬は1970年頃からバルピツール酸系に代わって使用されるようになったものですが、リスミーはその中では比較的出番が遅く、1989年に発売になりました。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中でのリスミーの位置づけは、効き目の強さではもっとも弱い方になります。また、血中濃度がピークになるのが服用後3時間なので、即効性はなく入眠障害の治療には向きません。 続きを読む

サインバルタサインバルタはSNRIというもっとも新しいタイプの抗うつ剤です。

SNRIはセロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害薬と呼ばれるお薬で、脳内物質のセロトニンとノルアドレナリンを増やす作用があります。

日本では2010年に承認されたお薬ですが、世界90カ国以上で承認されており2012年には抗うつ剤を含むすべての向精神薬の中で10位に入る売り上げを記録しました。 続きを読む

抗うつ剤のパキシルパキシルはプロザックに次いで2番目に開発されたSSRIで、日本では2000年から発売されています。

うつ病の他にパニック障害、強迫性障害、社会不安障害、PTSD(外傷後ストレス障害)の治療にも使われるお薬です。

成分はパロキセチンでジェネリック医薬品も販売されています。

パキシルはしっかりとしたキレのある抗うつ作用と抗不安作用を示すので、世界中で使用実績の多いお薬ですが、その半面、SSRIとしてはやや副作用が強くなっています。

SSRIは選択的セロトニン再取込阻害薬と呼ばれるお薬で、セロトニン受容体に選択的に作用するので、従来の抗うつ剤に比べて副作用が少ないのが特徴です。

パキシルもそれまで主流だった三環系抗うつ剤に比べると副作用が少ないのですが、SSRIの中では比較的副作用が強いお薬です。

パキシルをはじめとするSSRIは神経伝達物質のセロトニンの再吸収を阻害することで脳内のセロトニン濃度を高めるお薬です。

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抗うつ剤抗うつ剤は脳内のセロトニンやノルアドレナリンの濃度を上げるお薬です。

これはたとえると、バッテリーを充電して電圧を上げていくことに似ています。それにはある程度の時間がかかり、OFFになった電灯のスイッチをONにするようなわけにはいきません。

SSRIやSNRIなどの最近の抗うつ剤は効き目が出だすのが以前の抗うつ剤よりも早くなりましたが、それでも1~2週間はかかります。

さらに、薬本来のしっかりした効果が出るまでには1~2ヵ月かかります。

しかし、問題は抗うつ剤には症状や個人との相性があって、医師も最初からどの薬が良いかは分からないことがあり、飲みはじめても効果がない場合は薬の種類を変える必要があるということです。

うつ病はたいへん辛い病気なので、2週間も薬を飲んで効かないから別の薬にしようというのはまさに泣き面にハチですが、そんなとき患者さんが絶対してはならないことは自己判断で薬の量を増やすことです。

抗うつ剤は例えばふつうは1日10mgを服用する薬なら最初は2.5mgとか5mgから服用をはじめで数週間かけてしだいに用量を増やしていきます。

これはどれくらいで効果が出るかを見極めるためでもありますが、副作用を少なくするという目的もあります。

抗うつ剤は効果が出る前に副作用が先に出るという性質があります。

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