朝日を浴びましょううつ病において「休職」は非常に重要で有効な治療のひとつです。しっかりと休息して心身を癒し、復帰に向けた準備をしたいものです。

ここでは、うつ病で休職中の過ごし方で気を付けたい7つのポイントについて解説します。

まずは「休職の意義を認識する」ことです。うつ病となる方は、「非常に熱心で真面目な責任感が強い人」が多い傾向にあります。

そのため、「自分だけ休んでいてよいのだろうか?」、「職場や家族の皆に迷惑をかけしまっている・・・」というように、「すべて自分が悪い」と自分を責めてしまいがちです。 続きを読む

ストレスでうつ病になんとなく体調がすぐれない日々が続き病院に行ってみると、「ストレスからでしょう」とお医者様から言われた経験がある人は、意外と多いのではないでしょうか。

長い間、そんな体の不調を感じ続けている間に、気付けばうつ病になってしまったという人は、実は少なくありません。

日々それなりにストレスを抱え生きている私たちが、うつ病を発症してしまうまでの間に身体の中ではどのような変化が起きているのでしょうか。

常々、私たちの身体の三つの場所からは様々な「ホルモン」が分泌されています。ホルモンが分泌される場所は、脳の「視床下部」と「下垂体」、そしてもう一つは腎臓の上にある「副腎」です。

特に人がストレスを感じた場合には、この三つの中の副腎から「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。 続きを読む

うつ病とうつ状態ご自身やご家族が精神科を受診し、“うつ状態”と診断されたご経験はありませんか?

そして、診断内容が「うつ病」ではない事に疑問をお持ちになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はそんな“うつ状態”について解説していきます。

まず、うつ状態とは、「自分自身や周りのことなどに対する関心が薄れ、何事においても意欲が湧かない状態」のことをいいます。 続きを読む

眠れない原因睡眠障害(不眠症)には、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などのパターンがあります。

一人で複数のパターンの不眠症を抱えている人もいますが、もっとも多いのが布団に入ってもなかなか寝つけない入眠障害だといわれています。

忙しい現代人はなかなか充分な睡眠時間を確保できませんが、そんな人がせっかく布団に入ったのに30分以上も寝つけないと、イライラしてきます。しかし眠ろうとして焦るとますます眠れなくなるのが入眠障害のやっかいなところです。 続きを読む

眠りが浅い不眠症には、布団に入ってもなかなか寝つけない入眠障害や、夜中に根が覚める中途覚醒など、いくつかのパターンがありますが、眠りが浅くぐっすり眠ったという実感がもてない熟睡障害もその1つです。

よく眠りが深いとか浅いと言いますが、睡眠科学でも眠りには深い浅いのグレードがあることが確認されています。眠りにはノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があり、深い眠りはノンレム睡眠のときに訪れます。

「寝入りばなに泥棒が入ると気づかない」と言われるのは、人は眠りに入ってすぐのノンレム睡眠にもっとも深く眠るからです。 続きを読む

メラトニンと睡眠夜の睡眠と昼の覚醒のリズムを刻んでいるのが体内時計です。

体内時計は脳の松果体という部分にあると考えられていますが、人に限らず24時間周期で昼と夜が交替する地球上で進化してきた生物には必ず備わっている機能です。

体内時計が1日のリズムを刻むために分泌されるホルモン(脳内神経伝達物質)がセロトニンとメラトニンです。

朝になるとセロトニンの分泌が活発になり、体温が上がって目が覚めます。日中はセロトニンの分泌が続いて心身を活動モードに保ちます。 続きを読む

うつ病を克服大学を卒業後ある商社に就職して5年になるA子さんは、入社2年目にお局的存在の2人の先輩女子社員の派閥争いに巻き込まれて、うつ病を発症しました。

キャリア志向が強かったA子さんはどちらのグループとも距離を取ろうとしていましたが、それが災いして両方のグループから敵対グループのメンバーとみなされ、陰に日向に嫌がらせを受けていわば孤立無援の状態になってしまったといいます。

嫌がらせといってもささいなことの積み重ねなので、正面切って抗議することもできず、プライドの高いA子さんは上司に相談することもできませんでした。 続きを読む

自律神経失調症の原因暑いときには体温調節のために汗を出す、運動をするときには筋肉に血液を送るために心臓の鼓動が早くするなど、自律神経は私たちが意識しなくても身体の働きを適切に調整してくれる便利なシステムです。

しかし、この手間いらずの精緻なシステムも、私たちがその能力を過信してあまりむちゃな生活をしていると、調子がくるってくることがあります。

そして、いったん調子がくるうと、自動的に働くシステムだけにどうしてよいか分らないことが多いのです。

例えば、暑くもないのに突然汗がふきしたり、何もしていないのに突然心臓がどきどきしだしたりすると、私たちはどうしてよいか分らないばかりでなく、非常に不安になります。 続きを読む

自律神経とは自律神経、あるいは交感神経と副交感神経という言葉は、テレビや新聞などでよく見聞きしますが、あらためてそれは何かと聞かれるとあいまいな部分が多いかもしれません。

自律神経失調症をよく理解するために、もう一度その基本的な意味を確かめておきましょう。

私たちの神経は脳と脊椎にある中枢神経とそれにつながる末梢神経の2つに大別されます。末梢神経はさらに、体性神経と自律神経の2つに区別されます。 続きを読む

自律神経失調症自律神経失調症というのはテレビや雑誌などで見聞きする機会が多い言葉ですが、実は医療現場でも、この診断名を便利に使いすぎていないかという反省があります。

胃が痛い、動悸がする、などの症状を訴える患者さんを診察して異常が見つからないと、とりあえず自律神経失調症という診断をしておくことがよくあるからです。

しかし、とりあえず自律神経失調症と診断をするというのは、必ずしもいいかげんな診立てとは言えません。一昔前はこういうときはよく「どこにも異常はありません。あまりに気にしないように」などと言われて帰されていました。 続きを読む