眠りが浅い不眠症には、布団に入ってもなかなか寝つけない入眠障害や、夜中に根が覚める中途覚醒など、いくつかのパターンがありますが、眠りが浅くぐっすり眠ったという実感がもてない熟睡障害もその1つです。

よく眠りが深いとか浅いと言いますが、睡眠科学でも眠りには深い浅いのグレードがあることが確認されています。眠りにはノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があり、深い眠りはノンレム睡眠のときに訪れます。

「寝入りばなに泥棒が入ると気づかない」と言われるのは、人は眠りに入ってすぐのノンレム睡眠にもっとも深く眠るからです。

70~80分ほどノンレム睡眠をした後、10~20分間ほど眠りが浅くよく夢を見るレム睡眠に入ります。私たちは、1晩にこの90分間を単位にする眠りを3~4回くり返してから目覚めます。

最初の2回のノンレム睡眠がもっとも深い眠りで、90分の中での時間も長くなります。朝が近づくほど、ノンレム睡眠の時間が短くなり眠りが浅くなります。その分レム睡眠の時間が長くなり、最後のレム睡眠のときに目覚めます。

このノンレム睡眠の深い眠り(徐波睡眠)が何かの原因でさまたげられると、私たちは「眠りが浅かった」あるいは「ぐっすり眠れなかった」と感じます。徐波睡眠を妨げる要因には次のようなものがあります。

<睡眠リズムのくるい>
私たちには体内時計があり、昼は起きて活動し夜は眠るように生理機能を調整しています。この体内時計を無視して、昼眠って夜起きているというような生活をしていると、眠りは浅くなります。

<睡眠環境がわるい>
枕が高すぎる、布団が硬すぎるあるいは柔らかすぎるなど、不適切な寝具を使用していると熟睡をさまたげます。暑すぎる、寒すぎるなど、寝室の温度も眠りの深さに大きく関係します。その他、騒音、明るい照明も睡眠の邪魔をします。

<ストレス>
上記の睡眠環境の悪さはいわば身体的なストレスですが、仕事や人間関係、金銭上の悩みや心配ごとなどのストレスも睡眠の邪魔をします。

ストレスは自律神経の交感神経を緊張させるので、副交感神経が優勢になる睡眠モードを保てないのです。自覚しているストレスよりも、無意識に心にのしかかっているストレスの方がより睡眠の邪魔をすると言われています。

<運動不足>
昼の活発な活動がセロトニンを分泌させ、そのセロトニンが睡眠ホルモンのメラトニンの材料になります。昼に精神的にも肉体的にも活発な行動をすることが、夜の深い眠りをもたらします。

<夜に脳を興奮させる>
深夜までテレビで刺激の強い映画を見たり、スマホでゲームやSNSをしていると自律神経が興奮して、寝付きにくいだけでなく睡眠の質も悪くします。

テレビやスマホから出るブルーライトも脳を興奮させ、メラトニンの分泌を抑制してしまいます。メラトニンはサプリメントとして補充できます。

<夜食の食べ過ぎ>
睡眠中に消化器官に負担をかけるほど夜食を食べると眠りが浅くなります。

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