メイラックスは、妊娠中にはできるだけ使わない方が良いお薬ですが、絶対に使えない(禁忌)ということではありません。
例えば、計画的に妊娠しようとするなら、メイラックスを服用しているときは避妊すべきです。症状が改善してお薬を止めてからチャレンジするのがベストです。
しかし、メイラックスを服用中に妊娠が判明したとしても、あわてたり過剰に心配する必要はありません。
そのときは産婦人科の医師とメイラックスを処方した医師の両方にそのことを告げて善後策を考えましょう。
善後策は具体的には、メイラックスの減薬、もし可能なら断薬、あるいはより作用が弱い他の抗不安薬への変更、などです。
妊娠中にメイラックスを服用することで最も心配されるのは、胎児に奇形が発生しないかということです。
これについては専門家の意見が分かれていますが、その心配はないという意見に傾いています。
以前はメイラックスで口唇口蓋裂のリスクが増すと考えられていましたが、現在はその考えに統計学上の有意性はないとされています。
実際には妊娠中もやむをえずメイラックスを服用して、無事に健康な赤ちゃんを出産した例はめずらしくありません。
しかし、医師に「先生、100%大丈夫ですか?」と念を押しても、イエスという答は期待できません。
妊娠中に何の薬も服用しなくても胎児に奇形が発生する確率はあるので、そのリスクを減らす努力は必要ですが、確率をゼロにすることはできません。
メイラックスもできれば服用をやめるべきですが、それによって母親の精神が不安定なってかえって胎児の正常な発育に悪影響を与えることも考えられます。
妊娠中にやむをえずメイラックスを服用する場合は、妊娠後期から出産前にはできるだけ服用量を減らす努力が必要です。
薬の成分は胎盤を通じで胎児にも伝わっているので、出産後に新生児に薬の離脱症状が出ることがあるからです。
その症状は、筋肉がゆるんで体がぐにゃぐにゃした感じになる、呼吸が弱くなる、哺乳がうまくできないなどです。
しかし、産婦人科の医師にメイラックスを服用していることを告げていれば、重い症状になるようなことはほとんどありません。
大切なのはリスクをゼロにするにはどうしたら良いかという0か100かの発想ではなく、現状を踏まえた上でできるだけリスクを小さくするにはどうするかという現実的な発想です。
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