非定型うつうつ病にも種類があります。

現在世界中で精神的な病気の基準として採択されている診断基準にDAM-5(精神疾患の分類と診断の手引き第5版)というものがありますが、そこには典型的なうつ病(大うつ病性障害)や、気分変調を伴ったうつ病や、時期やホルモンバランスによって変動するうつ病など、様々なうつ状態が規定されています。

しかし、うつ病も多様性を増しており、これらの診断基準を明確に満たしてはいないけれども、精神的な苦痛が大きく、社会的な生活を送ることが困難になってしまっている人もいます。

そのような人たちは、DSM-5では“特定不能の抑うつ障害”として扱われています。

特定不能の抑うつ障害の一つに、非定型うつ病(Atypical Depression)というものがあります。一昔前は、典型的なうつ病が主流でした。

意欲が減退して、気持ちが落ち込み、悲観的なことばかり考える几帳面で真面目な人と言うのが「定型」のうつ病であったのに対し、現在は定型でないうつ病の人が増えています。

非定型うつ病の特徴は、①気分の反応性(実際に楽しい事や、楽しいだろうと予測できることがあると気持ちが明るくなる)、②極端な体重の増加・または食欲の増進/過眠/鉛のように体重くなる感覚/長期に亘って、対人関係で相手から拒絶をされることへの敏感な反応してしまうため、社会的または職業的な問題を引き起こしている/の、4つの項目から、2つ以上の症状がみられることです。

定型的なうつ病と違い、抗うつ剤を飲んでもあまり症状が改善しません。

そのため、治療としては心理士によるカウンセリングで気持ちを整理したり、自分の癖となっている考え方を見つめ直していく作業が中心的です。

重症化することは稀ですが、なかなか治らないという症状の長期化がみられることが多く、完治までには時間を要します。

非定型うつ病の人が一定数以上いるので、一つの疾患として認定されていますが、その症状が人によってばらばらであり、程度もかなり異なってくるので、まだはっきりとしたことが分からない部分が多い疾患です。

そのため、その原因もはっきりしたことが分かっていません。

カウンセリングなどが適応となり、薬への反応性もあまり良くないことから、その人の人格(パーソナリティ)の問題なのではないかとか、発達の問題が影響しているのではないかと考える人もいます。

パーソナリティや発達に問題があり、社会生活で不適応を起こした結果として、非定型うつ病のような状態を表しているのかもしれません。

まだ多くが解明されていない非定型うつ病ですが、こういった人がかかりやすいとされている傾向が或ることは指摘されています。

一つは、幼少期はいわゆる“良い子”であり、自己主張することや親に対して反抗することなく育ってきたタイプの人です。

自分で考えたことを実行する経験が少ないので、自分で考えることが求められると混乱し、考えてやってみたことが上手く行かないととても傷ついてしまいます。

自分のできないところ・ダメなところと上手く付き合うことが出来ずに苦手なことから離れたがり、得意なことでは生き生きと出来る。そんな人が典型例の1つであると言われています。

また、ストレスに弱い人も多いと言われています。対人関係において、相手の評価を気にしてしまって、相手から拒絶されることにとても敏感になることが特徴の一つであると言われています。

そのため、相手からの些細な一言でも拒否をされてしまったかのように感じてしまったり、何気ないやり取りで敏感に反応してしまうなど、些細なやり取りをストレスに感じてしまう人も、この疾患にかかりやすいと言われています。

パーソナリティの問題を抱えている人や発達の問題を抱えている人の中には、コミュニケーションが上手く取れなくて、相手からの評価にたいし過敏に反応してしまう人もいるため、非定型うつ病の背景にこれらの問題を抱えている人が隠れているのではないかと考えられています。

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