睡眠薬のユーロジンユーロジンはベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、お薬のタイプは中途覚醒や早朝覚醒に効果がある中時間型に属します。

即効性はないので入眠障害の治療には向きません。1970年代に発売された比較的古いお薬ですが、効果がおだやかで副作用が少ないので、現在もよく処方されています。

もちろん、副作用が少なめといってもまったくないわけではありません。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に共通の副作用として、①眠気の翌日への持ちこし、②ふらつき、転倒、③意識のもうろう状態、健忘、④耐性、依存性の形成、があります。

この中でユーロジンに比較的出やすいのが①の「眠気の翌日への持ちこし」です。これはユーロジンが中時間型で、半減期が24時間と長いからです。

半減期は血液中の薬の成分の濃度が最高値から1/2に下がるまでに要する時間で、これが薬の効果が持続する時間のいちおうの目安になります。

ユーロジンは24時間眠り続ける効果があるわけではありませんが、起きてからも人によっては眠気が残る場合があります。

ユーロジンは翌日に睡眠薬を飲むときも前日の薬の成分が身体に残っているので、4~5日服用して効き目が安定するお薬です。

これを定常状態といい、薬の効果や副作用がどの程度かは定常状態に達してから判断することになります。

②の「ふらつき、転倒」は睡眠薬の筋肉弛緩作用による副作用です。朝まで薬の効果がしっかり続いているユーロジンはこの副作用にも気をつけなければいけません。

夜中にトイレに起きたときなどにふらついたり転んだりしやすいからです。とくに足の筋肉が弱っている高齢者は要注意です。

③の「意識のもうろう状態や健忘」は即効性のある睡眠薬を飲んだときに、服用直後に現れやすい副作用です。

中途半端な覚醒状態で人に電話をかけたり、何か食べたりして、翌日はそれを覚えていないなどの症状があります。

しかし、最高血中濃度に達するまでに5時間かかる即効性がまったくないユーロジンでは、薬を飲んでから長時間起きていない限り、この副作用の心配はほとんどありません。

④の「耐性と依存性の形成」も、即効性があって半減期が短い、キレのある効き目の睡眠薬ほど多い副作用なので、ユーロジンでは少なめです。

しかしユーロジンでも、医師の指示以上の量を服用したり、漫然と長期間服用し続けると、だんだん薬が効かなくなり依存性も出てくるので注意が必要です。

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