非ベンゾジアビン系に属するマイスリーは半減期が約2時間という、たいへん作用時間の短い睡眠薬です。
半減期とは血液中の薬の成分が最高値から1/2にまで下がるのに要する時間のことで、これがお薬の効果の持続時間のおおよその目安になります。
マイスリーは約0.8時間で効き目がピークになり、2時間でほぼ効き目が消失する即効型で超短時間型の睡眠薬なので、寝つきの悪さを改善する睡眠導入剤として使われます。
夜中に目が覚める中途覚醒や、朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒には効果が期待できません。
非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬には、マイスリーの他にアモバン、ルネスタがありますが、どれも半減期が短く、超短時間型に分類される睡眠薬です。
この3つのお薬の最高血中濃度到達時間と半減期を見てみましょう。
最高血中濃度到達時間 半減期
マイスリー 0.8時間 2時間
アモバン 1時間 3.8時間
ルネスタ 1時間 5時間
3つとも半減期が短いので中途覚醒や早朝覚醒には効果が期待できないお薬です。
なかでもマイスリーはもっとも半減期が短く、入眠障害の治療専用のお薬ということができます。
ちなみに半減期による睡眠薬の分類は、超短時間型(2~4時間)、短時間型(6~10時間)、中時間型(12~24時間)、長時間型(24時間以上)、となっています。
マイスリーの応用的な使い方として、寝つきは良いが中途覚醒があるという人が夜中に目が覚めたときに服用することもできます。
半減期が短いマイスリーは、このような飲み方をしても翌日に眠気を持ち越すことがほとんどありません。
マイスリーの半減期から分かることは、基本的には入眠障害の薬であること、眠気の持ち越しの心配はほとんどないことの他に、健忘の副作用はやや多めだということです。
即効性のある睡眠薬には、服用直後にしたことを翌日は覚えていないという「前向性健忘」の副作用があります。
誰かに電話したことやその内容を覚えていない、冷蔵庫から何か出して食べたことを覚えていないなど、人から指摘されて初めて分る症状です。
この副作用を少なくするには、薬を飲んだ後はすぐに布団に入ることが大切です。
非ベンゾジアゼピン系のお薬であるマイスリーは半減期が短いことの他に、ふらつき、依存性の形成などの副作用が少ないという特徴があります。
これは非ベンゾジアゼピン系のお薬はベンゾジアゼピン系に比べて、催眠作用にだけ選択的に作用するという性質があるからです。
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