レキソタンはデパスなどベンゾジアゼピン系の抗不安薬の中で、もっとも効果が強いお薬です。
不安の症状が強いときには頼りになるお薬ですが、そのぶん副作用も強く出る可能性があるので、軽い症状のときに気軽に使うことはできません。
ベンゾジアゼピン系のお薬には、抗不安作用、催眠作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用の4つの作用があります。
レキソタンはその中で、抗不安作用は「最強クラス」で、催眠作用は「中」、筋弛緩作用は「強」、抗けいれん作用は「中」というポジションにあります。
薬物動態は、最高血中濃度到達時間が1時間、半減期が20時間です。服用後1時間で効果がピークに達するので即効性があり、その後薬の作用時間が約20時間継続する中間型に属します。
レキソタンと同様に効果が強めと評価される抗不安薬にも、短時間型のデパス(半減期が6時間)、長時間型のリボトリール(27時間)、超長時間型のレスタス(190時間)など、いろいろな作用時間のものがあります。
抗不安作用がとくに強いレキソタンは、パニック障害や社会不安障害はもちろん、抗不安薬が効きにくいとされている強迫性障害にも効果を発揮します。
強迫性障害は「ドアの鍵を閉め忘れた」などの強迫観念から何度も確認行動をくり返す病気です。
これらの不安障害は抗うつ剤のSSRIがメインの治療薬になりますが、即効性がある抗不安薬が頓服として、あるいは補助薬として併用されます。
レキソタンは筋弛緩作用も強いので、不安や緊張で身体がこわばる、声や手が震えるという症状がきつい人に向いています。即効性があるので急に不安が高まったとき、あるいは高くなりそうなときの頓服としても使用されます。
催眠作用も中程度あるので、不安が高くて眠れない場合などに睡眠薬として使われることもあります。
このようなメリットの半面、副作用も強めに出る可能性があります。とくに筋弛緩作用によるふらつきには注意が必要です。半減期が20時間と長めなので、眠気の副作用も比較的多い方です。
血中濃度がピーク時の1/2になるのに20時間かかるということは、翌日薬を服用するときも成分はいくらか体内に残っています。
レキソタンは、このような積み重ねの効果で4日間ほど服用を続けると定常状態に達して、効果が安定します。
レキソタンでもう1つ気をつけなければいけないのは、依存性です。
しっかりした効果を実感できるレキソタンは、長期間服用すると精神的にも肉体的にも依存してしまうことがあります。
依存性を形成しないためには、決められた服用量を守りなるべく短期間の服用に抑えることが大切です。
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