レキソタンはデパスやワイパックスなどベンゾジアゼピン系の抗不安薬です。強い効果と即効性があるので頓服としても使用されます。
しかし、半減期(作用時間)が20時間と長い点が頓服向きではないので、副作用などに注意が必要です。
抗不安薬は毎日定時に飲んで不安を軽減するベースを作る服用法と、臨時に頓服として飲む服用法があります。
頓服として服用するのは、パニック障害の患者さんがパニック発作を起こしたときなど、不安が高くなった時の「応急手当」のほかに、不安が高くなりそうなときに「予防」のために飲むこともあります。
社交性不安障害などの不安障害は、以前不安や緊張が高まった場所や場面を前にすると、また同じことが起きるのではないかという「予期不安」が高まります。
予期不安が強いほどその心配は現実になりやすいので、予防のためにあらかじめ抗不安薬を飲んでおくことが役に立ちます。
例えば、特急電車などの閉鎖空間で不安が高くなりやすい人が乗車する前に飲む、人前でスピーチするときに緊張する人があらかじめ飲んでおくなどです。
頓服には即効性があることと効果を実感できる効き目の強さが必要です。
レキソタンは、服用後15分程度で効果が現れ1時間後には効き目がピークになる即効性があり、抗不安薬の中で最強クラスといわれる効果の強さもあります。
レキソタンは抗不安作用以外に、強めの筋弛緩作用と中程度の催眠作用があります。
筋弛緩作用は、緊張して声が震えたり手が震えたりする症状を治める効果がありますが、足元がふらつくなどの副作用になることもあります。
睡眠薬として使用されることもあるお薬なので、眠気の副作用にも注意が必要です。
とくにレキソタンは作用時間が20時間と長いので、うまくスピーチをこなすなど頓服としての目的を果たした後も効果が持続します。
高所での仕事でふらつきが出たり、車の運転で眠気が出る可能性があるので、じゅうぶん注意する必要があります。
レキソタンは1日1~15mgの範囲で服用することになっています。頓服として使用するときは、通常は1回1~5mgを服用します。
レキソタンを頓服として使用するときは、服用回数をできるだけ少なくし、服用量をできるだけ少なく抑えることが大切です。
安易に服用回数や服用量を増やすと、だんだん薬が効きにくくなる耐性が形成されます。
レキソタンは最強クラスの強い効果があるお薬なので、レキソタンが効かなくなると打つ手がないという状況になる可能性があります。
「レキソタンをいつも携帯している」というだけでも安心感があるので、実際に服用するのは本当に必要なときだけにする心掛けが大切です。
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