うつ病は甘えじゃないうつ病がたいへんつらい病気で重症になると自殺するケースもあるということを、私たちは一般論としては知っています。

しかし、具体的に身の回りの人物、例えば会社の同僚がうつ病で休職したとしたら、その人に対してどんな気持ちを抱くでしょうか?

その人との人間関係や病気になる前のその人の仕事ぶりにもよるでしょうが、かならずと言ってよいほど出てくるのが「ほんとうにうつ病なの?」「いつまで会社休むのかしら」「うつ病とかいって甘えているだけじゃないの」などと言う声やうわさ話です。

うつ病で休んでいる人を気の毒だと思う反面、自分はつらい仕事や人間関係に耐えて頑張っているのにという気持ちがあるので、つい「甘えているんじゃないの」と言いたくなるのでしょう。

休んだ人の仕事をカバーしなければいけないという不満もあるかもしれません。

しかしこういう噂話が本人の耳に入ると、言う方は軽い気持ちでも、ときには回復しかかった病気を振り出しに戻すほどの悪影響をあたえます。

うつ病はそれでなくても自尊感情が低下して自己否定的な気持ちになりやすい病気なので、他人のわるい評価や評判に反発する元気はとても出てこないからです。

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