パロキセチンは、日本でも世界でも広く使用されている抗うつ剤パキシルのジェネリック医薬品です。
SSRIの1つであるパキシルは日本では2000年から販売されていますが、特許期間が終了して現在は、日本製のパキシルジェネリック、つまりパロキセチン錠が多くの製薬会社から発売になっています。
ジェネリックとは一般名(成分名)という意味で、パキシルと同じ成分のお薬はすべてパロキセチン錠といいます。
しかしそれではA社の製品かB社の製品か区別がつかないので、「パロキセチン錠明治」、「パロキセチン錠トーワ」などと、後ろにメーカー名を付け加えるのがふつうです。
ジェネリック医薬品の最大の特徴はお薬の価格が安いことです。
国民健康保険の財政負担に苦しむ国がジェネリックをすすめるのももちろんそれが理由です。
日本製のパロキセチン錠は先発薬のパキシルより30~40%オフの価格になっています。
日本の病院では処方していませんが、パキシルジェネリックにはインドの薬品メーカーの製品も数多くあります。
インドは「世界の薬工場」と言われるほど医薬品、とくにジェネリック医薬品の製造が盛んな国です。
これはインドには最近まで医薬品の成分特許を認めないという特殊な特許法があったからです。
インド製のジェネリックは日本など諸外国のジェネリックより大幅に低価格なのが特徴で、「国境なき医師団」などの国際的医療ボランティアはインド製の良質で低価格なジェネリック医薬品なしでは活動が成り立たないと言われています。