ワイパックスはベンゾジアゼピン系の抗不安薬で、心の不安や緊張をしずめる効果があります。
抗不安薬の中では効き目が強い方に属し、パニック障害や社交性障害などの不安障害の治療によく使われています。
ワイパックスは服用後約2時間で血中濃度がピークに達し、その12時間後に濃度が1/2にまで下がる半減期を迎えます。
血中濃度がピークになるときに、薬の効き目もピークになります。半減期は薬の効果が持続する時間の目安になります。
ここから分かることは、ワイパックスは服用後2時間で不安をしずめる効果がピークになり、そこから約12時間その効果が持続するということです。
これは、抗不安薬の中では中時間型に属します。
抗不安薬は作用時間によって次の4つに分類されます。カッコの中はその代表的な商品です。
- 短時間型 半減期が0.5~6時間 (デパス、グランダキシンなど)
- 中時間型 半減期が6~24時間 (レキソタン、ワイパックスなど)
- 長時間型 半減期が24~100時間 (セパゾン、リボトールなど)
- 超長時間型 半減期が100時間超 (メイラックス、レスタスなど)
それぞれのタイプの中に効き目が強いもの、中程度のもの、弱いものがあります。
例えば短時間型の中ではデパスは効き目が強く、グランダキシは弱い部類に入ります。ワイパックスは中時間型の中では効き目が強い方に属します。
短時間型の抗不安薬は、不安が強くなったときに頓服として使われます。あるいは、人前で話をするときなど、不安や緊張が強くなりそうなときにあらかじめ飲んでおくという使用法もあります。
これに対して長時間型は定期的に服用して、身体の中に不安を軽減する効果を積み重ねて行くお薬です。何日間か服用して薬の効果が安定します。
中時間型のワイパックスは、このどちらの使い方もできる使い勝手の良さがあります。ふだんは長時間型の薬を服用して、必要に応じてワイパックスを頓服として使用することもできます。
頓服として使用するときは、できるだけ使用回数を少なくするように注意する必要があります。
服用回数が多いとだんだん薬が効きにくくなる耐性が形成されます。耐性ができて1回の用量が増えると、薬を止めにくくなる依存性も早く形成されてしまいます。
不安障害の治療である程度治療期間が長くなる場合は、抗不安薬だけでなくゾロフト、パキシル、レクサプロに代表される抗うつ剤のSSRIを併用します。
SSRIは即効性はありませんが、飲み続けることで身体の中に効果が積み重なっていくタイプのお薬です。
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