パキシルは日本では2000年から発売されたSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)に属する抗うつ剤です。
SSRIは副作用が少なく安全なお薬として、現在主流になっている抗うつ剤ですが、その中でパキシルはキレの良い抗うつ効果で人気があり、世界でもっとも使用されているSSRIと言われています。
しかし、パキシルは効果が強い半面、SSRIとしては副作用やお薬を止めるときの離脱症状が強いというデメリットがあります。
その欠点を改良したのが2012年に発売されたパキシルCRです。
CRとはControlled Releaseの略で、コントロールされた(急激ではない)リリース(効き目の発現)という意味です。
抗うつ剤を飲み始めるときに副作用が出やすいのは、お薬の成分に身体が慣れていないことが理由です。
反対に減薬するときに離脱症状が出やすいのは、お薬に慣れた身体がお薬を求めてしまうからです。
パキシルCRは服用後にゆっくり溶けてゆっくり身体に吸収されるので、成分の血中濃度が高くなるのも低くなるのもゆるやかです。
そのため、飲み始めの副作用も、減薬するときの離脱作用も比較的軽くなるのです。
したがって、パキシルの効果は実感しているが副作用が辛いという患者さんにはパキシルCRはありがたいお薬です。
しかし、価格はパキシルCRの方がすこし高くなるので、パキシルで充分効果があり、副作用にも苦しんでいない人はわざわざ変更する必要はありません。
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お薬には個人との相性があるので、パキシルからパキシルCRに変えて気分が悪くなるというケースもあり得るからです。
しかし、減薬のときに離脱作用に苦しんでいる場合は、パキシルCRへの変更は効果が期待できます。
パキシルは抗うつ効果のキレの良さが人気の製品ですが、もともと抗うつ剤は頓服とは違いゆっくり効果を表してくる薬なので、抗うつ剤にキレの良さを求めるのは依存性を強めるリスクがあります。
もちろん、パキシルCRにまったく副作用や離脱症状がないわけではありません。
やはり服用の開始は低用量から始め、断薬するときは少しずつ減薬していく必要があります。
薬の効果が出てくるのに飲み始めてから2~3週間かかります。
パキシルCRには12.5mg錠と25mg錠あります。12.5mg錠はパキシル10mg錠と同等の抗うつ効果があります。
25mg錠はパキシル20mg錠と同じ効果です。
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成分がゆっくり吸収されるように設計されているので有効成分の配合量そのものはCR錠の方が多くなっています。
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