「スルピリド」とは「ドグマチール」という薬剤の一般名で、ジェネリック医薬品では
「スルピリド」と表記していることがほとんどです。
スルピリドには、抗うつ剤、抗精神病薬(統合失調症の治療薬)、胃薬という3種の
作用があります。
ここでは「スルピリド」について解説していきます。
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実はスルピリド(ドグマチール)のうつ病への効果は、完全には解明されていません。
うつ病に効果を発揮するには、ドーパミンの増加が必要ですが、スルピリドはドーパミンをブロックします。
抗うつ剤は通常、ドーパミンなどのモノアミンを増加させることで抗うつ効果を発揮する仕組みですが、スルピリドは遮断することで効果を狙います。
働く仕組みに解明の余地はありますが、実際の効果として「少量のスルピリド投与で抗うつ効果がある」ことは実証されていますので、しばしば抗うつ剤として処方される場合があります。
統合失調症の原因の一つに、脳内のドーパミンの過剰分泌が考えられるため、ほとんどの抗精神病薬はドーパミンを遮断する働きがあります。
だたし、スルピリドの遮断作用は弱いため、高清新病薬として使用する場合は高容量が必要となります。
高容量の場合は副作用を引き起こすことが多く、優れた抗精神病薬が多く発売されているため、頭語失調症の治療薬としてスルピリドを使用することは少ないと言えます。
また、 胃薬としての側面を持つスルピリドは、消化管のドーパミン受容体を遮断することで、消化管運動の改善をはかります。
作用としては強くなく、胃潰瘍などの治療に使うことはありません。
抗うつ効果が知られており、心因性の関連が見れれるときの胃腸症状に使用する場合があります。
スルピリドは抗うつ剤としての使用が一番多いことから、抗うつ剤としての副作用について説明します。
スルピリドの副作用は多くありませんが、以下の3つがよくあげられます。
一つ目は「食欲亢進、体重増加」です。
重篤な症状でありませんが、スルピリドでは一番多い副作用です。
本来は胃薬として開発された薬であり、服用すると胃腸の働きがよくなります。
そのため、食欲が増してよく食べるようになりますので、結果的に体重も増加してしまいます。
抗うつ剤の多くに見られる、口渇、便秘、ふらつき、めまい、吐き気、眠気などは少な目です。
二つ目は「錐体外路症状(EPS)」です。
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脳のドーパミンが過度にブロックされることで、無意識に勝手に体が動いてしまうことがあります。
有名な症状としては、ジスキネジアやアカシジアと呼ばれる症状があります。
指先のふるえや、腕をクネクネと動かす、唇や舌がモゴモゴ動くなどの症状があります。
三つ目は「乳汁分泌」です。
スルピリド(ドグマチール)は「プロラクチン」と呼ばれる乳汁を出すホルモンを増やします。
ホルモンバランスの崩れにより乳汁が出るもので、男女差はなく共に起こる副作用で
す。
女性の場合は無月経、男性の場合は性機能障害の原因となることもあります。
スルピリド(ドグマチール成分)のまとめ
スルピリドの特徴は、抗精神病薬、抗うつ剤、胃薬という3つの側面を持った薬剤です。
比較的副作用の少ない薬剤ですが、抗精神病薬としての側面もあり、錐体外路症状や乳汁分泌などの副作用が起こり得る可能性があります。
SSRIやSNRIといった他の抗うつ剤と比べ安価なのが特徴です。
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