過食症過食症は心療内科や精神科で治療する心の病気です。

心の病気の特徴は、客観的にみると明らかに事実に反することを事実と思い込んでしまうことで、これを「認知のゆがみ」といいます。

過食症に典型的な認知のゆがみは、身体像つまりボディイメージのゆがみです。これは客観的には太っているとは言えない、あるいはむしろやせているのに自分は太っていると思ってしまうことです。

これは拒食症だけでなく過食症を含む摂食障害に共通した症状です。

ボディイメージのゆがみが生じる背景には、いわゆるモデル体型を美しいとする美意識がありますが、それだけではなく、病的なボディイメージのゆがみが生じるきっかけには「恋人にデブと言われた」などのトラウマ的体験があります。

このトラウマはもともとあった肥満への恐怖をさらに大きくしてしまいます。

肥満を怖がる人が過食をするのは明かに不合理な行動なので、過食してしまった後に下剤を飲む、喉に指を入れて嘔吐するなどの、「不適切な代償行為」が必ずともないます。

この過食と代償行為の反復は、情けないという自己否定の感情を生んで自己評価・自尊感情の低さにつながります。

過食症の治療はいわば、このようなそもそも理屈に合わない認識や感情を治そうとするものですから、理屈で患者さんを説得しようとしても上手くいきません。

抗うつ剤や向精神薬が補助的に使われることはありますが、薬の力だけで治る病気ではありません。

治療は患者さん本人に認知のゆがみや誤った恐怖心に気づいてもらうという、地味で時間のかかるものになります。

早く治ることを期待して病院を訪れた患者さんには、まずそのことを納得してもらう必要があります。

具体的な治療方法としては「認知行動療法」が中心になります。これは患者さんの「物事のとらえ方」を修正することで行動を変えようという治療です。

人はそれぞれにその人に特有の「思考のクセ」を持っています。これは「自動思考」ともいい、ついそう考えてしまう偏りです。

過食症の場合この思考の偏りは、自分は太っている、太っている人間は価値がない、自分は食欲もコントロールできないダメな人間だ、などの考えや感情に現れています。

認知行動療法は、専門家の力を借りながら、このような思考のクセや偏りに気づき、それを修正していく治療です。

認知行動療法は時間がかかり本人の努力も必要な治療法ですが、この方法でしっかり認知のゆがみを修正すると、拒食症の再発を防ぐ効果が大きいといわれています。

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