抗うつ剤の副作用といえば、まず「不眠」が思い浮かぶのではないでしょうか。
うつ病の代名詞ともいえる不眠ですが、副作用としてもよく耳にします。しかし、逆に眠気を催してしまうこともあるのです。
ジェイゾロフトの場合それほど強くはありませんが、場合によっては眠気の副作用が出てしまうこともあります。
日中の眠気は、仕事や家事などに支障をきたすだけでなく、事故や怪我といった身の危険にもつながります。
どのように対処すればよいのでしょうか。
ジェイゾロフトを飲み始めたばかりなら、しばらく様子をみることから始めましょう。抗うつ剤に限らず、同じ薬を飲み続けていると、半月ほどで副作用に慣れてくることがあります。
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あまりにもひどい眠気でなければ、次の方法を考えるのは様子をみてからでも遅くありません。
抗うつ剤は、急激な副作用が起こらないように少ない量から飲み始め、1~2週間ほどで徐々に増やしていくのが一般的です。
その人の適量を探すために、段階を踏んで調整していくのです。この調整期間をゆるく設定することで、副作用を軽減することもできます。
ジェイゾロフトの場合は通常25mgから始めますが、まずは半量の12.5mgから、というふうに、最初の量を減らして、少しずつ薬を慣らしていくのです。
しかし抗うつ効果も緩やかになってしまうので、副作用と効果、どちらを優先するかは医師とよく相談してください。
ジェイゾロフトは、飲む時間帯に決まりがありません。
効果が重複しないよう毎日決まった時間に飲むものなので、日中に眠気が起こるなら、夕食後や就寝前に飲んでもかまわないのです。
ただし、ジェイゾロフトのようなSSRIや同系統のSNRIは深い眠りを妨害する可能性があります。
睡眠が浅くなってしまうと日中に眠気が出てしまうので、睡眠に影響がある時間帯かどうかをしっかり見極める必要があります。
寝つきが悪い、寝苦しい、悪夢ばかり見る、などの兆候が出た場合はおすすめできません。
なかなか副作用に慣れず、時間帯を変えても眠気が変わらないようであれば、ほかの方法を取らなくてはなりません。
ジェイゾロフトに効果を感じている場合は、量を減らしてみましょう。病状の悪化がなく眠気が軽くなれば、それが「その時の最適な量」だということです。
抗うつ効果が感じられず副作用ばかり、というときは、別の抗うつ剤に替えてもらいましょう。
一般的に、ドグマチール、SSRIのレクサプロ、SNRIのサインバルタ、トレドミンなどが、眠気の少ない抗うつ剤といわれています。
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抗ヒスタミン作用、というと、花粉症やアレルギーの薬などで耳にすることも多いことでしょう。
脳内のヒスタミン受容体という物質を遮断して作用する薬ですが、この受容体を遮断してしまうと眠気が起こってしまいます。
薬の添付文書に、投薬後、車の運転や危険な作業は控えるよう書かれているのは、このためです。
更に、抗うつ剤は、血圧に関与するアドレナリン1受容体や、神経興奮を抑えるセロトニン受容体などに作用します。
良い作用を引き起こすために飲んでいるのですが、効果がほしいところ以外にも作用してしまい、眠気などの副作用が生じてしまうのです。
減薬、変薬をするときは、効果や副作用について医師とよく相談して、慎重に決めましょう。
また、併用薬に注意することも必要です。
トリプタン系の頭痛薬、鎮痛薬のトラムセット、胃薬のタガメット、糖尿病薬のトルブタミドは、ジェイゾロフトの副作用を強めてしまう可能性があります。
アルコールとの併用も避けましょう。
アルコールによってジェイゾロフトの血中濃度が安定せず、眠気が強くなる可能性があります。
これは薬全般に共通していることです。いくらお酒がおいしくても、治療が先です。
さて、薬について見直してみましたが、いかがでしょうか。それでも眠気が治まらない場合は、身体のほうを見直してみましょう。
肝機能や腎機能が低下していると、通常より代謝も排泄機能も弱っているので、処方されたジェイゾロフトの量では多すぎることがあります。
当然、副作用も強く出てしまいます。健康診断などで肝機能、腎機能に問題があると言われたときは、必ず医師に報告し量の調整を行いましょう。
そして最後に確認しなければならないのは、睡眠自体に問題がないかどうかです。リラックスして眠れる環境ですか?
睡眠時間は十分ですか?不規則な睡眠リズムになっていませんか?
夜に質の良い睡眠が取れていないなら、眠気の主な原因はそこです。
今までは平気で、気付かなかったことが、抗うつ剤の投与であらわになったということです。
適度な温度や湿度、眠る前のリラックス方法などを模索して、自分にちょうどいい長さで質のいい睡眠をとりましょう。
飲んでいる薬のことだけでなく、自分の生活リズム自体を見直す良い機会にもなります。
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