ストレスでうつ病になんとなく体調がすぐれない日々が続き病院に行ってみると、「ストレスからでしょう」とお医者様から言われた経験がある人は、意外と多いのではないでしょうか。

長い間、そんな体の不調を感じ続けている間に、気付けばうつ病になってしまったという人は、実は少なくありません。

日々それなりにストレスを抱え生きている私たちが、うつ病を発症してしまうまでの間に身体の中ではどのような変化が起きているのでしょうか。

常々、私たちの身体の三つの場所からは様々な「ホルモン」が分泌されています。ホルモンが分泌される場所は、脳の「視床下部」と「下垂体」、そしてもう一つは腎臓の上にある「副腎」です。

特に人がストレスを感じた場合には、この三つの中の副腎から「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。

コルチゾールについて、わかりやすく解説してみます。

コルチゾールは“ストレスホルモン”とも呼ばれ、血圧や血糖を上げて私たちの体に酸素や栄養が行き届くようにしてくれたり、炎症を抑えて痛みや辛さを和らげようとしてくれる働きがあります。

ストレスを受け弱った私たちを必死に守ろうとしてくれる、なんとも優しく、ありがたいホルモンなのです。

私たちが過度のストレスをずっと感じ続けていると、このコルチゾールも分泌され続けることになります。

そして、あまりにも過剰に分泌され続けてしまうと、今度は血圧が上がり過ぎたり、血糖が増え過ぎてしまいます。

その結果、「高血圧症(治療薬はこちら)」や「糖尿病(治療薬はこちら)」などの危険な病気を誘発してしまうことになりかねません。

この「コルチゾールの継続的分泌による危険な状態」を解消するためにやってきたのは、先に記した脳の「視床下部」です。

彼らは常に、互いのホルモンが分泌され過ぎないように監視し合っているので、副腎でのコルチゾールの異常な分泌に視床下部が反応し、すぐにブレーキをかけてくれます。

ところが、それでも私たちがストレスを強く感じ続けていたとしたらどうでしょうか?

なんとか止めようとがんばる視床下部ですが、その奮闘も虚しくブレーキは限界に達し、そのままコルチゾールだけがどんどん分泌され続けてしまうのです。

真面目な話に戻るとしましょう。

実は、この過剰に分泌されたコルチゾールが、うつ病発症の原因の一つではないかと言われているのです。

高血圧症や糖尿病などの病気を促すだけでなく、脳の「海馬」という部分を委縮させて脳の神経を破壊してしまいます。

これを「海馬神経毒性」と言い、これによってうつ病を発症させているのではないかと多くの専門家たちも指摘しているのです。

事実として、うつ病患者さんの脳をMRI撮影で確認すると、うつ病ではない人に比べて海馬が萎縮していることが確認されています。

このように、ストレスによるコルチゾールの過剰分泌によって脳の神経が破壊されてしまうことが、うつ病の原因となるという主張を「HPA系仮説」と言います。

ストレスでうつ病になる理由のまとめ

どうして日々のストレスから、うつ病にまでなってしまうのか。

その真相はまだ究明途中ではありますが、過度のストレスからくるホルモンの過剰反応は、その原因の一つと言っても過言ではないようですね。

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