メイラックスはベンゾジアゼピン系の抗不安薬の中で、もっとも最近できたお薬であり、もっとも作用時間の長いお薬でもあります。
いわば「待望の超長時間作動型の抗不安薬」ということになります。メイラックスの半減期は122時間で、抗不安薬の中で最長です。
それまでは、効き目が強い抗不安薬はいろいろありましたが、作用時間が短くて依存性ができやすいというデメリットがありました。
たとえば、ワイパックスは半減期が12時間、デパスは6時間です。どちらも効き目が強いお薬ですが、そのぶん依存性も形成されやすいので、使いにくさがあります。
メイラックスの抗不安作用は「中~やや強い」というランクに位置づけられています。
ベンゾジアゼピン系の薬に共通のその他の作用では、催眠作用が「中~やや弱い」、筋弛緩作用が「弱」、抗けいれん作用が「中」となっています。
しっかりした効果がある割に依存性が生じにくいというのがメイラックスの最大のメリットです。
したがってパニック障害や全般性不安障害など、ある程度の治療期間が必要な病気にじっくりと組むときに役立つお薬ということができます。
また、半減期は122時間と長いのですが、最高血中濃度到達時間は0.8時間と即効性もあります。
メイラックスは頓服として使われることはあまりありませんが、服用後15分ほどで効果が現れます。
抗不安薬は1日2~3回に分けて服用するものが多いのですが、メイラックスは1日1回の服用で効果が持続します。
催眠作用も中程度あるので、夜寝る前に服用すると、その作用がプラスの方面に働くことが期待できます。
ただし作用時間が長いので、翌朝以降も眠気が残る可能性はあります。
作用時間の長いお薬は何日間か服用して、身体に残っている作用の積み重ねによって効果が安定します。
これを定常状態といい、服用を始めてから定常状態にまで達するには半減期×5の時間を要します。
半減期が122時間のメイラックスは、飲み始めてから610時間(25日間)で定常状態に達し、効果が安定します。
メイラックスの効果が期待できる病気は、パニック障害、社交性不安障害、強迫性障害などの不安障害です。
長期の治療では抗うつ剤のSSRIと併用されることが多くなります。その他、うつ病や統合失調症で不安が強い場合や心身症の治療にも使用されます。
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