アモバンアモバンは即効性のある睡眠薬で、副作用の少なさから広く使われています。そうはいっても薬は薬なので、副作用がないわけではありません。

今回は、バンにみられる副作用についてご紹介していきます。アモバンは睡眠薬ですので、眠くなるのは当然です。

薬には主作用と副作用があり、狙った効果を得ることを主作用、それに伴って生じてしまう問題を副作用と呼びます。

不眠に対して寝付けるようにする眠気は主作用ですが、起きる時間にも眠気が取れない、日中もずっと眠いとなると、この眠気は副作用にもなります。

本来の目的以外にも効果が出てしまうことを「持ち越し効果」といいます。

睡眠薬は神経の興奮を抑制させて催眠効果をもたらします。持ち越し効果があると、それに伴って日中ふらつきや頭重感、集中力の低下などの症状もみられるようになります。

アモバンは長短時間型の睡眠薬に分類され、睡眠薬のうちでも持ち越し効果が生じにくい

薬ではありますが、眠気の副作用が強い場合は、主治医と相談のもと他の睡眠薬に変更したり、内服量を減らしたりして、自分にあった睡眠薬、量を探していきましょう・

睡眠薬の問題として「耐性」と「依存性」があります。

耐性とは、薬を使うごとに少しずつ効きづらくなってしまうことです。初めは少量でもよく眠れていたのに、薬を使う度に身体が慣れてしまってきて、だんだんと同じ量では寝付けなくなっていってしまいます。

依存性とは、薬なしでは寝られなくなってしまうことです。睡眠の際、私たちの身体は神経の興奮を抑制させることで、脳も身体も睡眠モードに入り、眠ることができます。

この抑制を睡眠薬に頼り始めると、自分自身だけでは神経の興奮を抑制させるのが難しくなってきます。

さらに、それまで身体の中に当たり前に入ってきた薬が入ってこなくなると、神経が乱れてイライラや不安が起こり、ますます寝付けない原因になります。

睡眠薬の耐性、依存性はよくアルコールに例えられます。

アルコールを頻繁に飲むようになると、当初の量と同じ飲酒量では酔うという感覚が得られない為、だんだんと1回の飲酒量が増えていきます。

これが耐性です。
アルコール依存症は耳にしたことのある方が多いと思いますが、毎日のように飲酒を続けていると、いずれアルコールが手放せなくなり、急にやめると離脱症状が現れるほどの依存性があります。

睡眠薬で耐性、依存性を引き起こさないためには、医師の指示通りに服用することが重要です。

また、睡眠薬は日常生活に支障をきたす不眠に対して処方されるもので、長期間使い続けるものではありません。この意識を忘れないことも大切です。

もうろう状態、一過性前向性健忘

アモバンのような長短時間型の睡眠薬では、内服後にもうろう状態がみられる場合があります。意識が混濁している中でふらふら歩いたり人に話しかけたりしますが、本人は覚えていません。

一過性前向性健忘とは、服用後一定期間の記憶が障害される状態で、たとえば夜中に一度目が覚めたことを朝になると忘れている、などの症状として現れます。

つまり、薬を飲んだ後一定時間、記憶の障害が起こります。ただし、あくまで一過性であり、効果が切れればそれ以降の記憶はしっかり保てますし、後遺症の心配もありません。

そうはいっても、意識のない状態で動いてしまうのは、転倒などのリスクがあり危険なので、これらの症状がみられたときは、主治医と相談のもと、長短時間型でない睡眠薬に変更するか、アモバンの量を減らして対応しましょう。

アモバンは副作用の少ない睡眠薬といわれていますが、それでも副作用はあります。もし副作用が出てしまったときは、耐性や依存性の問題もありますので、自己判断で薬の中断、減量はせずに、医師の指導のもと薬の調節を行ってください。

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