うつ病によい食事まず、どんな人にも共通するのは、バランスの良い食事を規則正しくとること。これが基本です。

身体をつくっているのは食べ物です。もちろん、脳も同じです。そして、身体の中で最もエネルギーを使うのは脳です。

意欲や集中力の低下、倦怠感が出るのは、エネルギーが足りていないということです。

栄養バランスの良い食事をとれば、脳に十分な栄養を届けることができます。

規則正しく食べることで、生活リズムが整うといった利点もあります。

回数については、1日1食でいい、3食とるべき、少しずつをたくさん、と諸説ありますが、目的はうつ病の改善ですから、朝、昼、夜と3食きちんと食べたいところです。

家族と生活していれば、食事時は少しでも会話をする機会になりますし、ひとりの場合でも、同じ時間に食事をとれば、行動の習慣化につながります。

いしくない。食欲がない。そんな時でも、まずはテーブルにつくことから始めればいいのです。朝起きて、動くことが肝心です。

それから少しずつ、食事内容を意識して、脳にぴったりな栄養をあげましょう。

では、うつ病に対して、特に効果を発揮してくれる食べ物は何でしょうか。

「セロトニン」という言葉を聞いたことはありませんか?

うつ病は、心のバランスを取る神経伝達物質・セロトニンが不足しているためといわれており、多くの果物や野菜には、このセロトニンが含まれています。

それならセロトニンが多く含まれるものを食べればいい、と思われがちですが、実は、セロトニンは食べ物から直接とっても、脳までは届かないのです。

どうやって摂取したらいいのでしょう。

そこで「トリプトファン」の出番です。

トリプトファンとはアミノ酸の一種で、セロトニンを作る材料のひとつです。

脳まで届くことができるので、その後、合成しやすくする働きを持つビタミンB群(特にビタミンB6、ビタミンB9、ビタミンB12)と一緒にセロトニンを作ります。

さらに、オメガ3脂肪酸という栄養素があります。

ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、アルファリノレン酸(ALA)などのことで、こちらはセロトニンを増やす働きがあるといわれています。

DHAは頭が良くなる、と、流行したこともありましたね。青魚に多く含まれていると有名になりました。

食用油では、アマニ油、シソ油、エゴマ油、ナタネ油に、アルファリノレン酸が含まれています。

トリプトファン、ビタミンB群、オメガ3脂肪酸を上手にとっていけば、セロトニンを増やす効果が期待できます。

サプリメントも発売されていますが、これらは普段の食事からでも十分摂取することができます。

トリプトファンとは、タンパク質が分解されたアミノ酸の一種です。

肉類や魚類などの動物性タンパク質に多く、豆類などの植物性タンパク質にも含まれています。

量は、成人で体重1kg×2mgの摂取が目安で、うつ病の方の場合は、2000mg以上が好ましいとされています。

しかし、それでは通常の何十倍にもなってしまうので、計算で頭を悩ませるよりも、なるべく多く含まれている食材を、おかずにまんべんなく使えば大丈夫です。

トリプトファンをより多く脳に運ぶには、炭水化物と一緒にとるのが効果的です。

ただし、トリプトファンは、他のアミノ酸と一緒にとると脳に届きにくくなるので、あまり食べ過ぎないように気をつけてください。

ここまでのことには、確実にうつ病が改善されるといった明確な根拠はありません。まだ議論がなされているところです。

しかし、それぞれの役割を考えると、セロトニン作りに大事な要素を取り入れること、オールマイティな野菜や豆類、魚類、キノコ類中心の食事にすることは、うつ病の予防や改善へ繋がっていく可能性が高いといえます。

そして、セロトニンを活性化させるためにも、胃腸のためにも、よく噛んで食べることが大切です。

腸内細菌は、セロトニンの材料を送るために重要な働きをしています。

通常ではもちろん、うつ病であればなおさら、腸内環境の悪化は好ましくありません。

よく噛んで味わえば、食の感覚を取り戻すきっかけにもなって一石二鳥です。

栄養素はどれで摂取量はどのくらい、などというと難しそうですが、考えこむ必要はありません。

○○が好きだから毎日食べられる、面倒だから○○だけでいいや、と偏ってしまわないように、まずはいろいろな種類のものを食べましょう。

今日は何を食べようか、と豊富な食材から選ぶことも、食事の楽しみのひとつといえます。

規則正しく、けれど気楽に、おいしく食事をいただくことが、いちばんの予防・改善になるのです。

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