うつ病で不眠症にうつ病を患っている患者さんのうち、約9割の方が「不眠などの睡眠障害」を伴っています。

うつ病患者の大半が経験する症状であることから、うつ病と睡眠障害の関係は深いものがあると言えます。

うつ病は「脳機能」を低下させますが、具体的には「食欲」「睡眠欲」「性欲(男性はEDに)」の低下が高い確率で認められます。また、眠りに関係のある「セロトニン」や「メラトニン(睡眠ホルモン)」と呼ばれるホルモンも関係しています。

メラトニンは「眠りのホルモン」とも呼ばれ、睡眠に必要なホルモンです。このメラトニンの不足はメラトニンサプリメントで補充でき、欧米や東南アジアでは薬局で購入できます。

メラトニンはセロトニンが変化してできるホルモンですから、セロトニンが不足することでメラトニンも不足し、その結果として不眠となってしまうのです。

不眠の症状が確認された場合、何が不眠の原因となっているのか、誘発している行動を取っていないかといったように自分自身の行動を再認識する必要があります。

なかなか寝付けない場合、「夜遅くまで明るい部屋でテレビを見る」とか「スマートフォンを操作する」といった行動を日常的にしていませんか?

もしくは寝る前にお菓子を食べたり、コーヒーやジュースを飲んだりしていませんか?

飲酒や喫煙についても同様です。これらはすべて、不眠を誘発し、悪化させます。

不眠改善の第一歩として、これら生活習慣の改善から始める必要があります。

基本は規則正しい生活と、バランスの良い食事、適度な運動です。

運動に関しては、「ジョギング」や「ウォーキング」などを定期的に行うことは自律神経の調整効果もあり、運動により体の緊張をほぐしたり、疲れることによって自然な眠りにつながります。

運動後や夜に、ぬるめのお湯でゆっくり入浴することもリラックス効果があり、身体の緊張をほぐします。

ただし、入浴するお湯の温度が高いと、交感神経が刺激されて寝つきに影響します。

また、就寝直前の入浴も問題で、入浴によって上がった高い体温のままでは寝つきが悪くなってしまいます。

眠りに入るには一度体温が高くなり、下がる時に眠りやすくなると言われていますので、最低でも就寝の1時間前までには入浴を済ませておきましょう。

最後に「薬」に関することです。

「眠れないなら睡眠薬を飲めば良い!」と、安易に睡眠薬に頼るのは考え物なのです。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬など、睡眠薬の種類によっては「眠りを浅くするもの」があります。このような場合、かえって不眠を悪化させてしまうことになります。

また、SSRI(プロザック、ゾロフト、パキシル、レクサプロなど第3世代抗うつ剤)やSNRI(サインバルタなど第4世代抗うつ剤)などの抗うつ剤については、人により副作用として不眠を起こす場合があります。

逆にNassa抗うつ剤や四環系抗うつ剤、トラゾドンなどでは眠りの質も深くしてくれる効果があります。

「薬が合わない」ということを実感できるのは服用している本人だけですが、勝手に服用を取りやめたりするのではなく、まずは主治医と相談して決めるようにしてください。

■この内容のまとめ

不眠とうつ病は深い関係があることがおわかり頂けたでしょうか。適度な運動とバランスのとれた食事、そして質の高い睡眠こそが何より「大事な薬」となります。

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